エリアマーケティングとは?商圏分析や活用データ、目的を徹底解説!
2021年09月27日
地域の特性を知るために必要不可欠な「エリアマーケティング」。 エリアマーケティングを行うと、エリアの販売促進と広告戦略によって売り上げの向上や効率化が目指せます。
そのためにはエリアマーケティングを正しく知ることが必要です。 この記事では、エリアマーケティングをするために必要な分析や活用データ、目的などについて紹介します。
エリアマーケティングとは?
エリアマーケティングとは「エリア(地域)」と「マーケティング」を組み合わせた造語で、地域ごとに最適なアプローチをとるマーケティング手法の1つです。 地域間での売れる仕組みを考えるため、地域密着マーケティングとも呼ばれます。
エリアマーケティングは既存店舗の運営や新規店舗の出店をする際に必要不可欠な戦略です。 該当するエリアの生活様式、土地の特色、需要、交通インフラ、産業などを分析することで、以下のような目的を達成することができます。
◆エリアマーケティングで出来ること
- 地域調査に基づいて地域や市場を選定する
- 個別に集中してマーケティングを実施する
- 地域ごとに最適な戦略を行う
エリアマーケティングの商圏分析とは?
エリアマーケティングで重要なのが「商圏分析」です。
商圏とは、来店を見込める顧客が住んでいる範囲を指しています。
店舗から顧客が住んでいる場所までの距離を「商圏距離」、商圏内に住んでいる人口を「商圏人口」と表します。 商圏距離は一律何kmというようには決まっておらず、商品・サービスの内容や地域の特色によって変化します。
商圏分析とは、この商圏内における既存店舗や出店予定店舗周辺の地域特性やボリュームを把握することです。 そうすることで「誰に」「いつ」「どこで」「なぜ」「何を」「どういうやり方で」という情報、つまりターゲットとニーズを知ることができるため、営業や販売促進の目安に繋げることができます。
商圏分析のコツ
商圏分析を行うときは、国勢調査データ・顧客データ・統計データなど、さまざまなデータを活用します。 たとえば国勢調査を使えば、半径何km以内の人口と世帯数を把握できます。
(出典:渋谷区平成27年国勢調査より)
なぜエリアマーケティングを行うのか?
エリアマーケティングを行う目的は大きく分けて4つあります。
- 自社の現状を把握する
- 新規出店エリアの設定・確認をする
- 売上や需要を予測する
- 適切な広告を打ち出す
目的1.自社の現状を把握する
エリアマーケティングは現状把握に役立てることができます。
エリアマーケティングを行うことで、ターゲットとなるエリアの人口構成や生活様式を把握できます。これにより、現状自社がターゲット層に適切な施策を行っているかどうかを判断することができます。
このとき集められたデータは、将来的に新規出店をする時の参考にすることも出来ます。
目的2.新規出店エリアの設定・確認をする
エリアマーケティングは、新規店舗・新規サービスのエリアの設定や確認のためにも使われます。
新規出店エリアを設定するには、店から近い居住者の分析データをはじめとするさまざまなデータを複合的に活用する必要があります。 商圏の性質を見極めることができれば、店舗の規模・営業時間・商品内容なども詳細に決定できます。 同時に商圏内にある競合の把握もできるため、根拠のあるビジネスチャンスやリスクの予測が可能です。
目的3.売上や需要を予測する
エリアマーケティングは、既にある店舗やサービス向けにも使うことができます。
エリアマーケティングで商圏分析を行えば、売上や需要の予測に繋がります。 予測に基づいて仕入れ量を最適化することで、コスト削減も目指せるでしょう。 既存店舗と競合店の分析を行えば、適切な売り上げ目標の設定も可能です。
目的4.適切な広告を打つ
エリアマーケティングにより広告の最適化が可能です。
商圏の特性が把握できれば、エリアに合う適切な広告につなげられます。 広告の手法は、地域に特化した商品を置いたり、地方紙に折込広告を掲載したり、ポスティングを行ったりなど数多くの施策があります。 エリアマーケティングにより、商圏の人々に最も注目される施策が何なのか客観的に判断することができます。
エリアマーケティングを行うための4つのポイント
エリアマーケティングを行うためにはポイントがいくつかあります。
◆エリアマーケティングの4つのポイント
- マクロ環境を分析し、市場を把握する
- 顧客のライフスタイルを把握する
- 販売促進エリアを把握する
- 競合の状況を把握する
1.マクロ環境を分析し、市場を把握する
エリアマーケティングを行うなら、まずは市場をマクロに把握しましょう。
エリアマーケティングのマクロ環境とは、人口統計的環境、政治環境、社会環境など、広い視点での経済環境を指します。
まずは、以下のようなデータをもとに商圏の概観を把握すると良いでしょう。
- 人口の統計
- 人口の分布
- 昼夜の人口差
- 世代
- 年齢
- 学生数
- 高齢者数
マクロ環境を把握するには、統計データや推計データの活用がオススメです。
総務省統計局の統計データ分野別一覧のページでは、さまざまな統計結果を閲覧できます。
- 令和2年国勢調査
- 日本に住んでいるすべての人と世帯を対象とする基幹統計
- 住民基本台帳人口移動報告
- 住民基本台帳に基づき、月々の国内における人口移動を明らかにする資料
- 人口推計
- 各月の人口の動きを人口関連資料から得て、毎月1日現在の人口を算出
- 商業統計
- 業種別、従業者規模別、地域別等に事業所数や従業者数、年間商品販売額等を把握し、商業の実態を明らかにする統計
- 経済センサスデータ
- 事業所・企業の属性など、基本的な事項の把握に重点を置いた調査
- 交通センサスデータ
- 全国の道路状況や交通量、自動車運行の出発地・目的地などを調査
- 家計消費状況調査
- 世帯を対象として、購入頻度の少ない高額商品・サービスの消費などの実態を調査
これらのデータベースはどのような店舗・サービスであっても使える基本的な統計ですのでチェックしてみましょう。
2.顧客のライフスタイルを把握する
マクロ環境をチェックできたら、次に顧客のライフスタイルに注目しましょう。
分析する内容は、主に購入した顧客がどういう人なのか、どのような購買行動を行うのかです。 これらターゲット層の特定や顧客ニーズの理解、商品・サービスが顧客ニーズに合っているかなどを知るために必要になります。
たとえば、大型スーパーと小型スーパーが商圏内にある場合、車社会ではまとめ買いの大型スーパーの需要が高まります。 しかし、車社会であるためにまとめ買いをしないような地域では、商品の距離が近い小型スーパーのほうが利用されやすい可能性もあります。
このように地域の顧客のライフスタイル・購買行動を分析することで、購買率や顧客満足度の改善につなげることができるでしょう。
3.販売促進エリアを把握する
顧客の分析とともに進めたいのが、販売促進エリアの把握です。
販売促進分析や販売エリア分析を行うことで、販売促進エリアを把握することができます。 より費用効果の高い販売促進エリアを選定することは、来店客数や売り上げの向上など、店舗の活性化につながります。
中でもポスティングや宛名なしDMなどは、集客を望めそうな地域にアプローチするためにも必要不可欠といえるでしょう。宛名なしDMは、指定したエリア内に宛名なしのDMを届けられる日本郵便のサービス。ただし、販売促進エリアを把握していないと、どこまで郵送してよいかわからないので注意が必要です
4.競合の状況を把握する
最後に、競合の分析を行います。 市場や顧客を把握するだけなく、競合の状況を把握することもエリアマーケティングで大切なポイントです。競合の状況を把握するためには、以下の6つの内容を分析しましょう。
◆競合分析の6つのポイント
- 店舗数
- 売り場の規模
- 立地
- 売り上げ
- 営業時間
- サービス内容
競合の状況を把握すると、顧客のニーズや顧客が店舗を選ぶポイントがわかります。 既存店舗や新規店舗の今後の戦略の参考になるでしょう。
まとめ
エリアマーケティングの概要や商圏分析、目的などについて解説しました。 エリアマーケティングによって商圏を分析し地域の特性を把握することで、顧客に支持されるきめ細やかなサービス・商品を提供でき、企業の業績向上も期待できます。
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