ブランドリフト調査とは|広告成果を可視化する2つの調査方法を解説
2023年12月01日
自社の認知度向上や他社との差別化を図るため、多くの企業がブランディング施策に取り組んでいます。
ブランディング施策の代表的な手法の一つがブランディング広告です。広告を活用すると、一度に多くのユーザーに対して情報発信できるため、認知拡大が期待できます。
しかし、ブランディングは顧客の体験や感動といった定性的な要素によって価値が高まるものであり、数値化するのが困難です。また、広告を打った後に認知度や売上が上がったとしても、ブランディング広告の効果なのか、見きわめづらい側面もあります。
そこで役立つのが、ブランドリフト調査です。ブランドリフト調査を行うと、ブランディング広告の成果を定量的に可視化できるため、広告施策の現状把握や施策改善に役立てることができます。
本記事では、ブランドリフト調査の概要や調査手法について解説します。「ブランディング広告の効果を定量的に把握したい」方は、ぜひご覧ください。
ブランドリフト調査はブランディング広告の効果を可視化するための調査
ブランドリフト調査とは、ブランディング広告に接触したユーザーと接触していないユーザーそれぞれに同じ調査を実施し、結果を比較することで広告の効果があったのかを測定する調査を指します。
「ブランドリフト」はブランディング広告の効果を調べる指標の一つで、例えば以下のような項目を調査することで、広告効果を可視化します。
▼調査項目と質問例
調査項目 | 質問例 |
---|---|
広告想起率 | 最近このブランドの広告を見ましたか? |
認知度 | この中で、聞いたことのあるブランドはどれですか? |
比較検討 | 商品を利用する場合、どれを検討しますか? |
好意度 | この中で、あなたが好きなブランドはありますか? |
購入意向 | 今後次のどれかの商品を使う場合、どれが第一候補になりますか? |
ブランドリフト調査を実施する必要性
そもそもブランディング広告は、「〇〇といえばあの企業」と企業のイメージを認知・定着させたり、「あの企業なら信頼できる」と好意的な印象を抱いてもらったりと、自社ブランドの確立や競合他社との差別化を目的に実施されるマーケティング施策の一つです。そのため、施策実施後には必ず効果測定を行い、PDCAサイクルを回すことが欠かせません。
一般的な広告効果測定では、クリック数やインプレッション、コンバージョン数などを計測しますが、ブランディング広告は直接的に商品を宣伝する広告ではないため、これらの指標だけで効果を把握するのは困難です。
ブランドリフト調査は、アンケート調査を通じて、広告想起や購入意向など、数値には現れないユーザーの反応を可視化することができます。
▼ブランドリフト調査で把握できる広告効果の例
- 広告内容が記憶に残っているか
- ブランドの認知度が向上したか
- ブランドの比較検討を促せたか
- ブランドの好感度や理解度が向上したか
- 購入意向の上昇に影響があったか
サーチリフト計測との違い
サーチリフト計測とは、ユーザーが広告に接触することで、どの程度オーガニック検索数が増加したか調べることです。サーチリフト計測とブランドリフト調査のどちらも、ブランディング広告の効果測定手法ですが、それぞれ測定の目的・方法、内容が異なります。
ブランドリフト調査は、アンケート調査を用いて、広告接触者の認知度や好意度が向上したかを測定します。一方サーチリフト計測は、オーガニック検索のデータを利用して、検索数の増加具合を測定します。
ブランドリフト調査 | サーチリフト計測 | |
---|---|---|
目的 | 広告によって認知度や好意度が向上したかを確かめる | 広告によって検索数に影響があったかを確かめる |
測定方法 | アンケート調査 | オーガニック検索のデータ |
測定内容 | ブランドの認知度 | 検索数の増加具合 |
ブランドリフト調査を行う2つの方法
ブランドリフト調査を行うには、以下の2つの方法があります。
1.調査会社への依頼
調査会社は多くの経験やノウハウをもつ調査のプロです。調査会社へ依頼することで、精度の高いリサーチ結果を得ることができます。調査会社によっては、デバイスやプラットフォームを横断して調査を行えるのが強みです。また、屋外広告などのオフライン広告でもブランドリフト調査を行えます。
事前にスクリーニングを行い属性を指定したり、予算に応じてサンプルサイズを設定したりと、緻密な調査設計をもとに本調査を行うことができます。
一方で、リアルタイムでのデータ収集が難しい点には注意が必要です。
2.広告配信プラットフォームの活用
ブランドリフト調査は、YouTubeやFacebookなど広告配信プラットフォームのディスプレイ広告を活用して実施することもできます。
しかし、正確な調査のためには一定の広告配信実績・広告予算が必要になります。
例えばGoogle(YouTube)広告で質問を1つ実施したい場合、最小でも10日間で1,500USD(日本円で180万円から200万円)が必要になります。大きな予算がかかるため、誰でも気軽に実施できるわけではないことを念頭に置きつつ、前もって最低限必要な金額を確認しておくことが重要です。
▼代表的なプラットフォームとそれぞれの特徴
YouTube | 概要 | 動画視聴者に対し、アンケートを実施できる。 |
---|---|---|
計測項目 |
から最大3つ選択 |
|
詳細URL | https://support.google.com/google-ads/answer/4509383?hl=ja | |
概要 | 通常どおり運用するグループと、意図的に広告を見せないグループとに分けて、広告の効果を検証する。 | |
計測項目 |
から最大3つ選択 |
|
詳細URL | https://www.facebook.com/business/help/1693381447650068?id=546437386202686 | |
Yahoo! | 概要 | Yahoo!広告の効果測定は、ブランドリフト調査とサーチリフト調査の両方が可能。 |
計測項目 |
から選択(広告想起のみ必須) |
|
詳細URL | https://ads-help.yahoo-net.jp/s/article/H000044516?language=ja |
広告配信プラットフォームでは、大きく分けて2種類の調査手法があります。
インバナーサーベイ
インバナーサーベイは、WebサイトやSNSなどを閲覧しているユーザーに対して、バナー広告枠に質問を表示する調査手法です。バナー枠に直接回答を入力するため、ユーザーが回答しやすく、回答率が高いのが特徴です。また、調査結果をリアルタイムで比較・計測できるのもメリットの一つです。
一方、設問の表示がバナー枠内に限られるため、設問数には限りがあります。また、画面が小さいことで回答者が操作ミスをするなど、選択肢を誤って選んでしまうリスクや、細かなターゲット設定が難しいことにも注意が必要です。
リードバナーアンケート
リードバナーアンケートは、バナーにアンケートの告知を載せ、ユーザーにディスプレイ広告をクリックしてもらい、アンケート用ページに遷移させるものです。
リードバナーアンケートのメリットは、より詳細なアンケートを行えることです。インバナーサーベイでは質問数は1〜3問程度ですが、リードバナーサーベイには特に制限がないため、一度に多くの質問ができます。また、アンケートページに自社広告などのプロモーションを取り入れることも可能です。
デメリットとしては、別ページに遷移することで離脱の可能性が高まり、回答率に影響する場合があるため、回答獲得にかかるコストが増える点が挙げられます。
まとめ|ブランドリフト調査の結果を活かしてブランディング広告を改善
ブランドリフト調査は、ブランディング広告に接触したユーザーと、していないユーザーに同じ調査を実施し、結果を比較することで広告効果を測定する調査です。アンケートを活用し広告想起率や認知度などを調べることで、現状の広告効果の把握から改善まで、幅広く役立てることができます。
ブランドリフト調査を行うには、プラットフォームが提供するサービスも使えますが、リサーチ会社の活用も有効です。GMOリサーチ&AIでも、ブランドリフト調査を実施できます。自社でブランドリフト調査を行うノウハウやリソースがない場合は、ぜひご相談ください。
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GMOリサーチ&AIは、ネットリサーチや海外調査など、顧客ニーズを把握するための調査に役立つサービスを多数提供しています。ブランドリフト調査にも役立ちますので、ぜひご相談ください。
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よくある質問
Q1.ブランドリフト調査とサーチリフト計測の違いは? |
---|
どちらもブランディング広告の効果測定で実施されるものですが、実施目的や測定内容がそれぞれ異なります。 ブランドリフト調査は、アンケート調査でブランド認知度を測定し、ブランディング広告の改善を目的に実施されます。サーチリフト計測はオーガニック検索のデータから検索数の増加具合を測定し、広告配信が検索につながったかどうかを把握するために行われます。 詳しくは、「サーチリフト計測との違い」の節をご覧ください。 |
Q2.ブランドリフト調査を行う方法は? |
ブランドリフト調査を行う方法は、大きく分けて以下の2つです。
調査会社に依頼すれば、精度が高い調査結果を得ることができます。さらに、集客施策全体のブランドリフト調査も実施できます。 広告配信プラットフォームを活用すれば、リアルタイムに調査結果を集計できるため、施策改善のPDCAサイクルをスムーズに回せます。 詳しくは、「ブランドリフト調査を行う2つの方法」の章をご覧ください。 |
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