アンケート調査とは?種類や費用、作成時の注意点を解説
2024年06月04日
商品開発やサービスの改善などにおける意思決定時には、事前にアンケート調査を行うことがおすすめです。マーケットインの考え方が主流となっている現代では、ビジネスにおいて市場について把握することで、より効果的な施策につながるでしょう。
この記事では、はじめてアンケート調査を行う企業向けに、アンケート調査の概要や種類、費用相場、アンケート調査票作成の注意点を解説します。
アンケート調査とは
アンケート調査とは、あらかじめ質問を用意し、対象者に回答してもらう市場調査の手法です。目的に合わせて調査方法や対象者を選定し、アンケート内容を作成したうえで、インターネットや対面、郵送などの方法で回答を回収します。
アンケート結果は数値として収集できるため、客観的なエビデンスとして活用できます。そのため、売上や顧客満足度の向上、商品開発、ブランディングなど幅広い目的で、多くの企業がアンケート調査を利用しています。
定量調査と定性調査の違い
市場調査を行う手法には、定量調査と定性調査の2種類があります。
そのうち、アンケート調査は定量調査に分類されるため、それぞれの特徴を理解したうえで調査方法を選びましょう。以下に定量調査と定性調査の違いをまとめました。
定量調査
定型の質問票により、数値や客観的な指標をもとにデータを収集する調査のことです。
「はい・いいえ」などの簡単に回答できる選択肢を設ける質問項目を設け、多くの対象者に回答してもらうことで、市場全体の傾向を調査できます。
定性調査
質問に対して自由な言葉で回答してもらい、データとして収集する調査のことです。
インタビューなどの方法により、回答者のリアクションや行動なども含めた、数値だけでは汲み取ることができない意見や心理を調査できます。
【定量調査】アンケート調査の種類
定量調査の代表的な調査手法を紹介します。
ネットリサーチ(Webアンケート調査)
ネットリサーチは、アンケート調査において最も多く利用される調査方法です。Web上にアンケート画面を作成し、アクセスした対象者に回答してもらいます。
実施者と調査対象者のどちらもWeb上でアンケート調査・回答を完結できるため、簡単・スピーディー・低コストで調査を実施できます。
会場調査(CLT)
会場調査は、用意した会場に対象者を集めて、質問に回答してもらう調査方法です。製品の使用感や試飲・試食などを実施し、実際に対象者に体験してもらうことが一般的です。
すべての対象者に対して、同一条件で何らかの体験を提供したのちにアンケートを実施できるため、条件の差による変動をなくし、より正確な調査をしたい場合に適しています。
ホームユーステスト(HUT)
ホームユーステストとは、対象者の自宅に商品を送付し、一定期間試用後に評価をしてもらう調査方法です。
新商品やリニューアル品などの使用感やコンセプトと一致しているかどうかなどの確認に適しています。
郵送調査
郵送調査は、質問票を対象者の自宅に郵送し、回答後に返送してもらう調査方法です。
インターネットの利用が難しい高齢者に適しています。一方、若者世代では回収率が低下しやすい傾向にあるため、対象者の年齢層を検討すると良いでしょう。
街頭調査
街頭調査は、街頭の通行人から対象者を選定したのち、路上でアンケートやインタビューを行う調査方法です。
調査員が直接対象者を選定できるため、目で調査対象に適切かどうかを見極めたのちアンケートを依頼できます。ただし、出会ってからわずかの時間で意見を聞き出すには、調査員のコミュニケーション能力が求められます。
定性調査の種類
定性調査における代表的な調査手法を紹介します。
グループインタビュー
グループインタビューは、対象者を複数人集めて1つのテーマについて話し合ってもらう中で、意見を収集する調査方法です。
話し合うことで、参加者同士の意見交換による相乗効果が期待できます。
デプスインタビュー
デプスインタビューは、対象者に調査員と1対1で話し合ってもらう中で、意見を収集する調査方法です。
グループインタビューが複数人なのに対し、デプスインタビューは一人のため、繊細な話題であっても話を聞きやすいという利点があります。
行動観察調査
行動観察調査は、対象者の行動を観察することで、サービスを利用する行動心理やニーズを吸い上げる調査方法です。
一定時間にわたり観察することで、対象者がどのような経路でサービスを利用したかという移動ルートや、購入に至るまでに手に取った別商品なども確認できます。
訪問観察調査
訪問観察調査は、対象者の自宅に訪問して生活を観察したのちに質問を行う調査方法です。
対象者の許可が取れれば、普段は立ち入れない家の中の様子を観察したり、生活状況を直接把握したりすることが可能です。
アンケート調査の費用相場
さまざまな調査方法がありますが、ここでは最も一般的なWebアンケート調査の費用相場を解説します。
費用の内訳
アンケート調査の費用の内訳は、一般的に「基本料金+オプション料金」となります。
基本料金は、アンケートの実施にかかる金額となっており、質問の設問数や対象サンプル数によって変動する費用です。
一方、オプション料金とは、質問票の設計や集計・分析などを別途依頼するかどうかにより加算される金額です。
そのため、自社の予算に応じてアンケート調査の内容を細かくカスタマイズできます。不安がある場合には、アンケート調査会社に見積もりを取ると良いでしょう。
費用相場
Webアンケート調査の費用相場を以下にまとめました。あくまで一例として参考にしていただき、各調査会社に見積もりを依頼してください。
設問数/サンプル数 | 100 | 300 | 500 | 1,000 |
---|---|---|---|---|
~5問 | 70,000円 | 110,000円 | 150,000円 | 250,000円 |
~10問 | 80,000円 | 130,000円 | 180,000円 | 270,000円 |
~20問 | 150,000円 | 230,000円 | 300,000円 | 450,000円 |
~30問 | 210,000円 | 290,000円 | 390,000円 | 590,000円 |
アンケート調査票を作成する際の注意点
アンケート調査表を作成する際の注意点を解説します。アンケート調査を成功させるためのコツとして、作成時の参考にしてください。
アンケート調査を行う目的を明確にする
アンケート調査を行うこと自体が目的になると、調査しただけで次のアクションがわからず、終わってしまう可能性があります。
アンケート調査は、その後のビジネスにおける意思決定に活用するために行います。そのため、事前に「なぜアンケート調査を行うのか」「どのような結果が必要なのか」について設定しましょう。
1つの質問で尋ねることは1つに絞る
1つの質問の中で、2つもしくはそれ以上の内容を聞くことをダブルバーレル質問といいます。
例えば、「あなたは日常的にスマホやパソコンを利用しますか。」という質問です。この場合「スマホは利用するが、パソコンは利用しない」という人がいたら、「はい」と「いいえ」どちらも当てはまることになり、適切な回答を選ぶことができません。
このように、1つの質問で尋ねることを1つに絞れないと、結果の正確性が損なわれてしまうのです。
二者択一で回答できるアンケート作成を意識することで、「調査したい内容」と「結果」のズレ防止に役立ちます。
事前に回答の仮説を立てておく
アンケート調査を行う前に、目的を明確化するとともに仮説を立てておきましょう。仮説を立てることで、アンケート調査後の行動が取りやすくなります。
例えば、仮説どおりの結果であれば、そのまま事業へと活用することが可能です。一方、仮説と異なっていた場合には、相違点の原因を分析することにつながります。
ここまで紹介したコツを押さえたアンケート調査票を作成する流れは、以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。
関連記事:はじめての市場調査:アンケート調査票の作り方は?良い例・悪い例
まとめ
この記事では、アンケート調査の種類や費用相場、作成時の注意点を解説しました。
より効果の高いアンケート調査を実施するには、精度の高いアンケート調査票を作成することが大切です。十分に事前準備を行ったうえで、調査に取り組みましょう。
また偏りがなく、良質な回答者に回答してもらうことも欠かせません。より正確なデータを手に入れるためには、調査会社の選定も大切です。
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