「うちでも在宅勤務は導入できる?」安心して管理・効率的に働いてもらうための4つの工夫
2021年09月14日
2020年4月の緊急事態宣言をきっかけに、多くの企業が在宅勤務を導入しました。
ただし、すべての企業で在宅勤務が取り入れられたたわけではありません。
「職種的に難しい」
「管理が行き届かなさそうで不安」
という理由で、導入をためらっている企業も多くあります。
とはいえ、従業員の安全確保や時間の有効活用という面から見ても、在宅勤務は魅力的なもの。働きやすさという点からも、導入が望まれています。
企業が在宅勤務を導入するためには、どのような工夫ができるのでしょうか? 会社が安心して従業員に在宅勤務を任せ、効率的に働いてもらうための工夫を4つまとめました。
どれくらい在宅勤務は普及しているの?
そもそも現時点で、在宅勤務はどのくらい普及しているのでしょうか? 2021年5月時点までで在宅勤務を実施している企業の割合は以下のような変遷をしています。
◆2020年4月〜2021年5月の在宅勤務実施率
調査時期 | 在宅勤務の実施率 |
---|---|
2020年3月 | 24.0% |
2020年4月 | 62.7% |
2020年5月 | 51.4% |
2021年1月前半 | 57.1% |
2021年1月後半 | 63.5% |
2021年2月前半 | 64.8% |
2021年2月後半 | 58.7% |
2021年3月前半 | 59.0% |
2021年3月後半 | 56.4% |
2021年4月 | 56.6% |
2021年5月 | 64.8% |
引用:東京都テレワーク実施率調査結果(2020年5月)
※2020年5月〜2021年11月まではデータの記載無し
2021年は5月までに2回の緊急事態宣言が発令されています。 通勤や出社にともなう感染症リスクからも、半数以上の企業が在宅勤務を積極的に導入しています。
在宅勤務を希望する人は7割以上
「コロナ禍の強制在宅勤務を経て変わった働き方や住まいに対する価値観」(infoQ)
アンケートサイトinfoQの調査によれば、在宅勤務を経験した人のうち77%が「今後も在学勤務を取り入れた働き方を希望する」と回答していました。
◆在宅勤務を希望する理由
- 通勤時の感染リスクもなく、通勤時に感じていたストレスが軽減されるため(50代・男性)
- 在宅のほうがパフォーマンスを発揮できる職種なため(50代・男性)
- 家族との時間を大切にできるから(30代・女性)
- 効率がいい(20代・男性)
「在宅勤務を行うことで感染リスクを下げられる」という観点のほかにも、通勤時間が減ることで時間に余裕が生まれ「仕事の生産性を上げられる」という意見もありました。
在宅勤務を導入することで従業員が「働きやすい」と感じる環境になれば、企業にとってもメリットが生まれます。今後、採用戦略のひとつしても在宅勤務を取り入れているかどうかはますます重要になるでしょう。
在宅勤務が難しい職種への対応は?
在宅勤務を導入することで、従業員・企業双方にとってメリットがもたらされます。しかし一方で、在宅勤務が難しい職種も存在しているのも確かです。 2020年11月~12月の2回にわたり実施された国土交通省の調査では、以下の職種で在宅勤務の割合が低いことが判明しています。
◆在宅勤務の割合が低い職種
- 宿泊、飲食業:6.9%(母数は1,239名)
- 医療・福祉:8.3%(母数は4,618名)
- 理美容や洗濯などの生活関連サービス業:13.8%(母数は991名)
- 運輸業:14.1%(母数は1,914名)
- 小売業:14.9%(母数は4,335名)
「令和二年度テレワーク人口実態調査」(国土交通省)
2020年11月~12月の2回にわたり実施された国土交通省の調査では、以下の職種で在宅勤務の割合が低いことが判明しています。
「自分の仕事は対人業務が必須だから、在宅勤務は無理だ」
とこのように思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。 対人業務の多い職種であっても「対人しない業務」を切り離して考えることで、部分的に在宅勤務を取り入れることが出来るのです。
◆在宅勤務に切り替える余地がある業務
- 入力業務
- データ修正
- 資料作成
- 職員間のホウレンソウ
- ミーティング
- 勤怠管理
- 事務作業
- 企画作成
「紙だから」「印鑑が必要だから」といった業務も、可能なかぎりデジタル化しましょう。
現場と在宅を切り離せるようにすることで、感染リスクをおさえ、働きやすさを向上させ、業務効率化を図ることができます。
「管理が行き届かない不安」も在宅勤務の弊害のひとつ
大部分で在宅勤務が可能な職種であっても、そもそも
「部下の仕事管理を行えるか不安」
という悩みから、在宅勤務の導入をためらっている場合もあります。
アンケートサイトinfoQの調査でも、実際に在宅勤務を経験した上で「部下の管理が難しい」という感想を持つ方が複数人いました。
◆在宅勤務に困難を感じた理由
- 管理が難しい(50代・男性)
- 部下の管理が難しいし、そもそも会社が在宅勤務を許可しない。(50代・男性)
- コミュニケーションに問題あり(50代・男性)
在宅勤務を取り入れるべきとは考えていても、
「職種的に在宅勤務が難しい」
「部下をきちんと管理して効率的に仕事を進められるか不安」
という側面が、在宅勤務制度導入のハードルを高くしているのかもしれません。
在宅勤務で業務を適切に管理し、効率を下げないための4つの工夫
在宅勤務では
「従業員の業務を適切に管理できるのか不安」
という漠然とした不安を感じる方が多いようです。
どうすればこうした不安を解消できるのでしょうか? すぐに取り入れられる代表的な工夫は以下の4つです。
◆在宅勤務業務を適切に管理し、効率を下げない工夫
- ビジネスコミュニケーションツールでtodoを共有する
- 在宅勤務の監視システムを活用する
- バーチャルオフィスを活用する
- あえて中抜けを許可する
1.ビジネスコミュニケーションツールでtodoを共有する
Chatworkといったビジネスコミュニケーションツールには、ファイル共有や重要情報の検索など、業務をスムーズに行える機能が備わっています。 これらを活用し、さらにtodoリストを共有することで、従業員の業務を適切に管理することが可能です。
例えば、毎日のtodoを業務前に全体へ公開することで、誰でも簡単に進捗確認ができますし、todo未消化の場合は業務終了後に振り返りもできます。
もちろんtodoリストを作成するだけなら個人でもできます。 しかし、作成したものをメールで共有するだけでは、途中経過は確認できません。また、従業員全員分のメールを確認するだけで一苦労です。
todoリストが共有されていれば終わったタスクを打ち消し線で簡単に消せるので、途中経過の確認も簡単にできます。消化進捗を聞く手間が省けるので楽です。
ビジネスコミュニケーションツールを活用することで、従業員同士のコミュニケーションを促進するだけでなく業務を適切に管理し効率を落とさないようにできます。
2.在宅勤務の監視システムを活用する
在宅勤務の業務を監視することで、業務効率の低下防止が期待できます。
在宅勤務では、業務中に多少中抜けしてもすぐには分かりません。その気になれば、納期までにとりあえず仕事を終わらせて納品物だけを出すことも可能です。 しかし、そのやり方ではクオリティまでは担保されませんし、万が一納品物にミスがあれば他の従業員に迷惑をかけることもあります。
それを防ぐために有効的なことが「在宅勤務業務の監視」です。 定期的に進捗報告をさせるのも良いですが、以下のようなシステムを活用するのも効果的です。
◆在宅勤務の進捗を補足するシステム例
- 一定間隔でPC画面のスクショが自動的に送信される
- 直行直帰している営業パーソンの所在をGPSで管理する
- 利用しているサイトやアプリの履歴を辿って管理する
- 打ち込んだキーワードが会社指定のNGワードに該当していないかを確認する
監視システムを活用することで、仕事が進んでいない従業員を把握できます。 業務進捗を把握することで部下への適切な声かけもできるので、姿が見えない状況でも緊張感を持って勤務を行ってもらうにはピッタリです
ただし人によっては、監視されることで息苦しさを感じる可能性があります。 常に気を張って働き続けるというのはストレスがかかるもの。システムを導入する際は、そうしたストレスに対する従業員への配慮も忘れてはいけません。
3.バーチャルオフィスを活用する
ZoomやDiscordなど、音声チャットシステムを活用してバーチャルオフィスを設けるのもひとつの手です。
テキストベースのコミュニケーションのみでは、自宅外でもやり取りできてしまうため、中抜けなどによって業務効率が落ちやすくなります。 しかし音声接続であれば、リアルタイムのやり取りは自宅がメインとなるため、不必要な中抜け防止に最適です。動画もONにしておくことでさらに防止効果は上がります。
業務の監視だけでなく必要なやり取りもスムーズに行えますし、気晴らしにちょっとした雑談もできます。 テキストベースのやり取りは他のビジネスコミュニケーションツールを使い、アイデア出しのように会話が必要な業務は音声ツールで行うというのも良いでしょう。
ただし、映像ありにするとPCが重くなるため、常に監視するのは難しい側面もあります。 音声通話に関しても、寝転がりながらのやり取りも可能ではあるので、その点は実際の出社より手を抜きやすくなることは覚えておきましょう。
4.あえて中抜けを許可する
いっそのこと、会社として業務中の離席を許可するというのもひとつの手です。 そもそも人間は何時間もずっと集中することはできません。どこかのタイミングで休憩をし、ダラっとしたいときもあるでしょう。
そこで、あえて「一定時間内は中抜けOK」と打ち出し、仕事のオン・オフをハッキリさせている企業もあります。 企業側から休んでも良い時間を打ち出してくれると、従業員としても堂々と休憩できますよね。
とはいえ、無制限に中抜けを許可すると収拾がつきません。中抜けの許可にあたっては以下のようなルールを定めましょう。
◆中抜けのルール例
- 業務時間の中で1日◯分までは何をしてもOK
- 直行直帰している営業パーソンの所在をGPSで管理する
- ◯分までの中抜けであれば許可無しでOK
まとめ
と在宅勤務導入の流れは今後も進んでいくと予想されます。とはいえ、職種によっては在宅勤務が難しかったり、業務効率の低下に関する不安があり導入をためらったりすることもあるでしょう。 そうした中で無理に導入する必要はありません。ただ、工夫次第では在宅勤務を効果的に導入できるということは覚えておきましょう。
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