スクリーニング調査とは?注意点・質問の作り方・質問事例なども紹介
2021年08月30日
性別・年齢・未既婚・職業といった特定の条件がある人に対して調査を行いたい場合、調査前に対象者が条件に合致しているかどうかを確かめる必要があります。
このようなときに行われるのが、スクリーニング調査です。
スクリーニング調査とは、本調査を行う前に、本調査に必要な調査対象者をふるい分けるために行われる事前調査のことです。
スクリーニング調査を実施することで、コスト削減・サンプルの精度向上に繋がることもあります。
ネットリサーチを検討している方、アンケートに費用がかかり結果が出ないとお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
スクリーニング調査とは?
スクリーニング(screening)とは「ふるい分けること、選んで取り上げること、選抜」という意味です。
スクリーニング調査は、例えば、以下のようなターゲットを対象にアンケートなどの調査を行いたいときに、本調査に先がけて実施されます。
- 30代で年収500万円以上の東京在住の女性
- 40代でSE職についている年収600万以下の男性
- 格安SIMを利用している20代~40代で子供を持つ親
スクリーニング調査のメリットとデメリット
本調査の前にわざわざスクリーニング調査を行うことにはどんなメリットがあるのでしょうか?
また、スクリーニング調査を行うことによるデメリットはあるのでしょうか?
スクリーニング調査のメリット
スクリーニング調査は、本調査の前に一般対象者をふるいにかけることで必要な対象者だけを選抜します。
そのため、一般対象者全員に本調査に参加してもらう必要がなくなり、余計な対象者に支払う謝礼や調査経費などの調査コストを軽減できます。
さらに本調査の質が上がるため、分析にかかる時間が短縮される可能性も高まります。
スクリーニング調査のデメリット
スクリーニング調査をまず単独で行いあらためて本調査を実施しようとする場合、かえってコストが増加する場合があります。
その理由は2つあります。
1つ目は、出現数が想定よりも上振れしている場合、必要数以上の対象者が集まる可能性があるということです。必要以上の対象者数が集まってしまうと、想定コストを超えた費用がかかる可能性が高くなってしまいます。
2つ目は、スクリーニング調査と同時に本調査を実施しないことで、アンケートに協力しない対象者が一定数出現してしまう可能性があるということです。
想定していたサンプルの数が集まらなかった場合は、再度スクリーニング調査から実施しなくてはならず、余計なコストとなります。
余計なコストも削減し、調査期間も短縮できます。
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スクリーニング調査の実施例
スクリーニング調査では具体的にどのような調査が行われているのでしょうか?
たとえば「競合自転車メーカーA社の電動自転車の利用者」を対象に調査を行いたい場合、スクリーニング調査では以下のような設問設計を行います。
◆スクリーニング調査の例
- 普段の移動手段はどれですか。
- 徒歩
- 自転車
- 電車
- 車
- 自転車を選んだ人に質問です。現在所有している自転車はどのタイプですか。
- 一般的な自転車
- ロードバイク
- 電動自転車
- 電動自転車を選んだ人について質問です。あなたが所有しているのはどのメーカーの商品ですか。
- A社
- B社
- C社
- その他
スクリーニング調査では正確なサンプルを抽出することがポイントになります。
そのため「あなたはA社の電動自転車を利用していますか?」と直接的に質問することは不適切です。
なぜなら、対象者に「どうやらA社の電動自転車について調査したいらしい。報酬が欲しいので使ってないけれど『はい』と回答してしまおう」などと推測されてしまうと、実際には条件に該当しない人が回答してしまうことがあるためです。
スクリーニング調査における3つのポイント
本調査の対象となる人々をあぶりだすためのスクリーニング調査。
簡単に思われるかもしれませんが、実は事前調査ならではのポイントが3つあります。
◆スクリーニング調査における3つのポイント
- 本調査の意図を推測されやすい質問は避ける
- 目的達成に必要な質問だけに絞る
- 回答率と出現率のバランスを取る
ポイント1.本調査の意図を推測されやすい質問は避ける
さきほど例に挙げたように、本調査の意図を推測されやすい質問を作成するとスクリーニング調査がうまく機能しなくなってしまう可能性があります。
◆NG例:スクリーニング調査
- あなたは最近「文房具」をオンラインショップで購入しましたか。
- はい
- いいえ
例えば、上記のような質問では、本調査が「文房具」を「オンラインショップ」で購入した人を対象にしていることが容易に想像できてしまいます。
本調査が類推されてしまうと、正確なサンプルが取れなくなってしまう可能性があるため注意が必要です。
スクリーニング調査は、具体性が高まれば高まるほど回答者に気づかれやすくなってしまいます。このため、抽象→具体の順で設問を作成すると良いでしょう。
◆OK例:スクリーニング調査
- あなたがこの1ヶ月以内に購入したものを教えてください。(複数選択可)
- 化粧品
- 文房具
- 洋服
- ゲーム
- 上の選択肢に購入したものはない
- 購入したものをどこで購入しましたか?
- デパート
- 小売店
- オンラインショップ
- フリマアプリ
- その他
…
※1は複数回答可のため、2は1で選択したものの数だけ質問します。
このように設計すれば、1で「文房具」・2で「オンラインショップ」と回答した人以外は回答終了でき合理的です。
ポイント2.目的達成に必要な質問だけに絞る
不要な質問を設定すると、それだけ質問数が増加し回答者の負担が大きくなってしまいます。
回答者によっては「謝礼に見合わない」「こんなに質問が多いとは思わなかった」などの不満を抱く可能性もあります。最悪の場合、必要な回答者数を確保できないこともあり得ます。
回答負担の大小はがアンケート結果を左右します。
例えば「とても好き」「好き」という2つの選択肢を用意した場合に、「とても好き」を選択したときのみその理由を尋ねるとどうでしょうか?
◆NG例:回答負担
1.あなたはりんごが好きですか。
a)とても好き b)好き c)普通 d)嫌い e)大嫌い
2.a)の回答を選んだ方は、選んだ理由を教えてください。
理由:
このとき回答者に2.の設問が見えていれば「どうやら『とても好き』を選ぶと、理由を回答しなければならないようだ」と心理的に負担が生じてしまいます。
その抵抗感から回答者が「とても好き」を選ぶのを避けてしまうことがあるのです。
どうしても理由を聞く必要があるなら、どの回答を選んでも理由を答えなければならない形式にすると、回答負担にばらつきがなくなります。
◆OK例:回答負担
1)あなたはりんごが好きですか
a)とても好き b)好き c)普通 d)嫌い e)大嫌い
2) 1)の選択肢を選んだ理由を教えてください
理由:
ただし、回答負担を考えすぎて必要な調査まで削ってしまうと本末転倒になってしまうため、全体の質問数を見て設問の仕方を検討しましょう。
ポイント3.回答率と出現率のバランスを取る
スクリーニング調査で大切なことは、本調査で十分なデータを得るための対象者の数を確保することです。そこで重要になるのがスクリーニング調査での「回答率」と「出現率」です。
回答率とは、アンケートを依頼した相手から回答を取得できた割合のことです。
例えば、100人に回答を依頼して、60人からの回答が得られれば、回答率は60%となります。
回答率は、謝礼金額や質問数、アンケートの開封率によって変化します。
出現率は、本調査に必要な対象者として条件が合う人の割合のことです。
本調査に参加できる条件の厳しさや質問の細かさなどによって変化します。
回収率と出現率のバランスが取れていないと、本調査に必要な対象者数が足りなくなってしまいますので注意が必要です。
GMOリサーチ&AIでは、回答率と出現率の調査を無料で承っております。
まとめ
スクリーニング調査を実施する際は、何のデータが必要なのかを明確にすることが最も大切です。
本調査につながるスクリーニング調査を実施して、コスト削減と調査の精度向上を実現しましょう。
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