【自主調査】日本国内外への旅行需要は回復傾向?最新調査をもとに考察
2023年11月02日
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、多くの業界に大きな影響を与えました。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出されたことをきっかけに、不要不急の外出自粛や、店舗の時短営業などが要請され、飲食業界や旅行業界が特に大きな打撃を受けていたことも、記憶に新しいと思います。
しかし、感染症を取り巻く政府の対応も変わりつつあります。例えば2023年5月8日には感染症の分類が2類から5類(インフルエンザと同等)に移行し、法令に基づいた自宅待機の要請などは終了しました。また、外出自粛で失われた観光需要を喚起するため、2022年10月から「全国旅行支援」施策が行われています。
対応の変化や施策の実施を受け、実際に消費者の需要にも変化は見られるのでしょうか。GMOリサーチ&AIでは、新型コロナウイルス感染症に対する心理が消費行動にどのような影響を与えているか、自主調査を実施しました。本記事では、アフターコロナにおける日本国内外への旅行需要の変化について、調査結果をもとに考察します。
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GMOリサーチ&AIは、オンラインリサーチや海外調査などのサービスを多数提供しています。今回は、新型コロナウイルスに対する心理が消費行動に与える影響についての自主調査を紹介しましたが、他にもあらゆる市場調査を実施できます。市場調査に興味のある方は、お気軽にご相談ください。
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新型コロナウイルス感染症流行前後の旅行需要推移
新型コロナウイルス感染症の流行は、国内、国外への旅行需要にどのような変化を与えたのか、消費額や旅行者数などの具体的な数値とともに推移を見ていきます。
国内旅行需要の推移
アフターコロナとなった今、国内旅行需要は回復傾向が見られます。
旅行・観光消費動向調査 2022年年間値(確報)によると、2019年の日本人国内旅行消費額は約21.9兆円でした。それに対し、2020年~2021年は約10兆円と、新型コロナウイルス感染症流行前の約半分ほどまで落ち込みました。しかし2022年には約17.2兆円と、前年の1.8倍ほどまで回復しています。
引用:観光庁「旅行・観光消費動向調査 2022年年間値(確報)」
同調査では、日本人国内延べ旅行者数も発表されています。2019年の国内旅行全体の延べ旅行者数58,710万人に対し、2020年は29,341万人と半減しました。しかし2022年には41,785万人と、新型コロナウイルス感染症流行前の水準までは戻っていないものの、回復傾向が見られます。
引用:観光庁「旅行・観光消費動向調査 2022年年間値(確報)」
海外旅行需要の推移
海外旅行需要の推移も、新型コロナウイルス感染症の流行前後で変化が見られます。
日本政府観光局(JNTO)の調査「出国日本人数の推移」によると、年別に見た出国日本人は、新型コロナウイルス感染症が流行した2020年に大きく減少しました。しかし2023年以降は回復傾向が見られ、2020年の水準を上回っています。
引用:日本政府観光局(JNTO)「出国日本人数の推移(日本の観光統計データ)」
【自主調査】これからの旅行需要はどうなるか
新型コロナウイルス感染症の新規患者数は、2023年5月8日の5類移行後も増加傾向が見られます。国内外の旅行消費額や旅行者数は少しずつ回復していますが、実際に消費者の旅行需要はどのような状態にあるのでしょうか。
本章では、GMOリサーチ&AIが4月と8月に実施した自主調査結果を比較しつつ、消費者が抱く旅行への実感を掘り下げていきます。
国内観光旅行への需要が多い
まずは、今後6ヶ月の間に旅行する予定はあるかどうか質問しました。観光旅行(国内・海外)、出張の2つの観点から、4月と8月の調査結果を比較します。
【4月調査】
【8月調査】
観光旅行(国内・海外)
「(国内観光旅行の)予定がある」と回答した人は、2023年4月は24.2%、8月は27.1%でした。また、「(海外観光旅行の)予定がある」と回答した人は、2023年4月は2.3%、8月が6.6%でした。
国内外ともに旅行を予定する人は増加傾向にありますが、8月の結果を比較すると、国内旅行を予定している人(27.1%)は、海外旅行を予定している人(6.6%)の約4倍でした。夏の行楽シーズンは終わりを迎えていますが、国内観光旅行への需要が依然として旺盛であることがわかります。
出張
「(国内出張の)予定がある」と回答した人は、2023年4月は4.3%、8月は8.9%でした。また、「(海外出張の)予定がある」と回答した人は、2023年4月は0.7%、8月が1.9%でした。観光需要の回復とともに、仕事の都合で他県や国外に出向く人も増加傾向であると推察されます。
海外旅行への需要が低迷する要因は
「今後6ヶ月間で海外観光旅行をする予定があるか」という問いに対し、「ない」と回答した人は2023年4月が89.3%、8月は79.2%と、約8割ほどの人が予定していないことがわかりました。海外旅行の需要低迷に新型コロナウイルス感染症が影響しているのかどうか、理由を尋ねました。
【4月調査】
【8月調査】
4月・8月調査ともに以下3点の理由が挙げられました。
▼海外観光旅行を計画していない理由
理由 | 4月 | 8月 | |
---|---|---|---|
1 | 航空券、ホテル代などが高すぎるから | 42.5% | 44.3% |
2 | 手続きが面倒だから(出入国時のPCR検査、ビザの申請など) | 34.3% | 31.1% |
3 | コロナが心配だから | 29.1% | 23.0% |
回答者の割合を見ると、「コロナが心配だから」と答えた人は、4月が29.1%、8月が23.0%と減少しています。一方、「航空券、ホテル代などが高すぎるから」と答えた人は、4月が42.5%、8月が44.3%と増加しました。
海外観光旅行を行わない要因としては、新型コロナウイルス感染症の心配よりも費用面への課題感が強いことがわかります。特に、世界的な旅行需要の拡大で航空運賃などが高騰していることや、長引く円安が影響していると推察されます。
まとめ|旅行需要は回復傾向にあるが、海外旅行には慎重な姿勢も見られる
自主調査の結果、旅行需要は回復傾向にあることがわかりました。特に国内観光旅行が旺盛で、2023年8月の「今後6ヶ月間に旅行する予定はありますか」という問いに対し、国内旅行を計画している人は27.1%、海外旅行を計画している人は6.6%と、約4倍近くの差が見られました。
また、今後6ヶ月間に海外観光旅行を計画していない人は全体の8割程度でした。海外観光旅行をしない理由として「コロナが心配(8月調査で23.0%)」よりも「航空券、ホテル代などが高すぎる(8月調査で44.3%)」と、費用面で懸念する人が多いことがわかりました。新型コロナウイルス感染症が海外旅行への需要に与える影響は、少しずつ減少しているかもしれません。
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GMOリサーチ&AIは、オンラインリサーチや海外調査などのサービスを多数提供しています。今回は、新型コロナウイルスに対する心理が消費行動に与える影響についての自主調査を紹介しましたが、他にもあらゆる市場調査を実施できます。市場調査に興味のある方は、お気軽にご相談ください。
【GMOリサーチ&AIで可能な調査の例】
- オンラインリサーチ
- DIY型アンケート
- 海外オンラインリサーチ
- 消費者インサイト
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調査概要
【調査1】
詳細:2023年8月 日本の最新状況 新型コロナウイルスに対する心理が消費行動に与える影響
調査方法:Z.com Engagement Labでオンラインアンケート
調査期間:2023年8月15日〜8月17日
有効回答:1,336件
調査対象:16〜60歳の日本のインターネット利用者
【調査2】
詳細:2023年4月 日本の最新状況 新型コロナウイルスに対する心理が海外渡航に与える影響
調査方法:Z.com Engagement Labでオンラインアンケート
調査期間:2023年4月1日~4月6日
有効回答:700件
調査対象:16~60歳の日本のインターネット利用者
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