Googleが提唱するZMOTとは?Web時代の購買決定要因モデルをわかりやすく解説
2022年01月17日
ZMOTとはGoogleが提唱する、Web時代の購買決定要因モデルです。
ZMOTでは顧客は店舗に足を運ぶ前に、すでに商品やサービスの購入を決定していると考えており、Webを活用した顧客との接点を重要視しています。
競合より優位に立ち顧客を獲得し続けるには、ZMOTを理解し適切な対策を取ることが必要です。
本記事ではZMOTの概要から、適切なZMOT対策、注意点を解説します。
ZMOTとは
- ZMOT(Zero Moment of Truth、ジーモット)とは
- 顧客は店舗を訪れる前に、既に購入するものを決めているとされる、Googleが2011年に提唱した理論。
ZMOTはWeb時代の購買決定要因モデルを反映した理論です。
Web上での情報が限定的だった頃は、顧客はまず店舗に訪れ、実際に商品を手にとりながら購入する商品を品定めすることが一般的でした。
しかし顧客がネットで容易に情報収集できるようになると、顧客は商品の評判、口コミをネット上で集め、オンライン上で品定めを始めました。
顧客が商品の購入を意思決意するMOT(Moment of Truth)は、Zero(来店前)のWeb上でされるようになったのです。
企業がZMOTに注力すべき理由
インターネットの普及により、誰でもネット上で商品情報や口コミ・評判を調べられるようになりました。
一例を挙げると現在は以下の方法で、顧客は商品情報を取得し、商品の品定めを行います。
- 検索エンジンを使って商品を検索する
- フリマアプリで値段を確認する
- Twitterで口コミを確認する
- Instagramで商品に寄せられたコメントを見る
- Youtubeで商品紹介・レビューを調べる
- Tiktokで商品をおすすめしているインフルエンサーを確認する
上記のように顧客行動の変化により、企業には適切なZMOT対策が求められています。
FMOTとは
- FMOT(First Moment of Truth、エフモット)とは
- P&G社が2005年に提唱した、顧客は店舗に陳列された商品から3〜5秒間で購入する商品を決定するという理論。
FMOTはZMOT以前の購買決定要因モデルとして挙げられます。
FMOTではCMなどの広告ではなく、実際に顧客が店舗を訪れた時に、商品を見たファーストインプレッション(First)で顧客が商品購入を決意する(MOT)とされています。
FMOT導入には、CMを放映してもP&G社の売上が伸び悩んだことが背景に挙げられます。
それまでCMによる顧客接触が商品の売上に大きく関係すると考えられていました。
しかし実際は商品パッケージ、売り場でのプロモーション動画、陳列の仕方が顧客の購買決定要因として重要であることが明らかになりました。
SMOTとは
- SMOT(Second Moment of Truth、エスモット)とは
- 商品の使い心地(セカンド・オブ・モーメント)や購入後の情報提供が、リピート購入につながっていることを示す理論。顧客のファン化を目指し、CPAの改善を図るために必要。
どれだけ新規顧客を獲得しても、その後継続して購入が見込まれなければCPAの改善は見込めません。
顧客が商品を購入する(MOT)には、商品購入後(Second)の対応を適切に実施し、顧客をリピーターにすることが大切です。
こうした背景から、宣伝を最小限に押さえてでも顧客を呼び込む仕組み作りが必要だと考えられ始めたのです。
SMOT最適化の具体的な方法は以下の通りです。
- カタログやパンフレットで別商品を紹介する
- 割引券を配布し再購入価格を下げる
- カスタマーサポートを充実させる
Web時代における購買意思決定モデル
ここまで、購買意思決定モデルにはZMOTとSMOT、FMOTの3種類があることを説明しました。
上記3種類にStimulusを加えたものが購買決定モデルです。
Stimulusとは、テレビ媒体のCMやWEB上での広告、家族・友人からの口コミなど、顧客が初めて商品とコンタクトを取る機会を指します。
まずは顧客に知ってもらい、その後の施策で商品購入へのMOTに働きかけることが大切です。
そしてこの中でも、特に重要なのがZMOTです。
どれだけ顧客に知ってもらい、商品購入後のサポートをリッチにしたとしても、購入の検討段階に至らなければ、商品が購入されることはありません。
ZMOT対策に有効な4つの方法
ここからは、ZMOT対策で大切な4つの要素をわかりやすく解説します。
- ホームページをレスポンシブ・マルチデバイス対応させる
- サイト情報は細かく記載する
- 検索エンジンに適した施策を行う
- SNS運用を行う
サイトをレスポンシブ・マルチデバイス対応させる
素敵な商品があると思い検索をしたら、ホームページが見づらかったり、適切に表示されてなかったりして、購入する気が失せた経験はありませんか?
パソコン上では問題なくても、スマートフォンやタブレットなどでサイトを見たら形が崩れていた...という例は散見されます。
またサイトを整えることは、採用面でもポジティブな影響が考えられます。
入社を希望する企業のサイトが適切に表示されていないと、求職者に心配される要因にもなります。
したがって、レスポンシブ・マルチデバイス対応は早急に済ませることをおすすめします。
サイト情報は細かく記載する
サイトの見た目は整っていても、最低限の会社概要と説明だけでは、サイトを訪れた顧客に自社の魅力を伝えられません。
よってサイト上には商品やサービス内容や価格、サイズや商品概要と、細かく商品情報を記載しましょう。顧客の購買決定を後押しすることが大切です。
この他にも、沿革、社員紹介、お問い合わせのページを作り、顧客に安心して商品を購入してもらえるような努力が必要です。
検索エンジンに適した施策を行う
検索エンジンの最適化を図るために、主要な3つの施策(SEO・MEO・リスティング広告)について説明します。
SEO対策
SEO対策は多岐に渡りますが、ユーザーに有益な情報を提供し、検索エンジンのオーガニックの検索で上位表示を目指す、コンテンツSEOは有効な施策の一つです。
コンテンツSEOでは、顕在・潜在顧客に有益なコラムやインタビュー記事をサイト上に掲載し、企業や商品認知を広げていきます。
コンテンツSEOで重要なのは、顕在・潜在顧客に有益と考えられるコンテンツを提供することです。
自社商品の売り込み等に比重を置かず、広告感の少ないコンテンツの方が読者に好まれる傾向があります。
MEO対策
- MEOとは
- Map Engine Optimizationの略でマップエンジン最適化を示す。Googleマップにおける検索結果での上位表示が目的。
ユーザーが近くにあるお店を検索する際、検索結果に店舗情報や地図が表示されることがあります。
例えば「喫茶店 渋谷」と検索した際、渋谷にある喫茶店が位置する地図マップが表示されます。
このように検索エンジン上で表示される店舗情報や地図に適切な対策を行うことをMEOと呼びます。
地図を使ってお店を検索をするユーザは、購買意欲の高い顧客であることが多く、適切な訴求により購買に繋がりやすい特徴があります。
リスティング広告
検索したキーワードに応じて上位に表示される広告を「リスティング広告」と呼びます。
リスティング広告は広告掲載費がかかるものの、SEO対策よりもすぐに結果が出やすい施策であり、活用する企業も多いです。
広告掲載費は媒体や期間等によって異なりますが、キャンペーン前後の期間にリスティング広告を打つなど、他のマーケティング施策と連動して行えるのが特徴です。
SNS運用を行う
ユーザーの消費行動は分散化しており、今や検索エンジンだけでなく、各種SNSを活用し、商品やサービスに関する情報を集める動きは一般化しています。
そこで、ZMOT対策にはSNS運用も合わせて検討しましょう。
SNS運用の媒体としては、以下5つが挙げられます。
SNS名 | 特徴 | ZMOT対策への活用 |
---|---|---|
RT(リツイート)やいいねにより、拡散効果が高い | ・共感性を生む表現で、自社製品をアピールし商品認知を広げる ・口コミや評判など、ユーザーが体験したリアルな声を拡散する |
|
オンラインサロンで有名。ユーザー間で密にコミュニケーションを取り合える | Messengerを利用し、クローズドなコミュニケーションが取れるため、ZMOT以降のSMOTにも転用可能 | |
検索結果欄に、自社ECへの導線を繋げられるため、ZMOT対策をワンストップで実施できる | 投稿のコメントやDMで、ユーザーとコミュニケーションが取れる | |
LINE | 手軽にコミュニケーションが行える | CRM機能を兼ねており、ターゲット毎にコミュニケーションが取れる |
TikTok | ショートムービーを活用し、インフルエンサーマーケティングが行いやすい | ・レコメンド機能による拡散性が高く、商品認知が広がる ・若年層への認知拡大が期待できる |
参考:敷田 憲司『1億人のSNSマーケティング』エムディエヌコーポレーション(MdN),2020
ZMOT対策を行う上で大切な2つのポイント
ZMOT対策は顧客の購買意思決定に伴う重要な施策ですが、「実施したのに結果が出ない」事態を避けるために、以下2つのポイントに注意しましょう。
- 顧客が必要とするコンテンツを作成する
- ZMOT段階で購入意思が固まる商品やサービスばかりではない
顧客が必要とするコンテンツを作成する
自社メディアを利用したZMOT対策を実施する場合は、自社商品を売り込むだけのコンテンツ作成は避けましょう。
ユーザーが検索をするのは、自身の課題解決のために適切な手段や方法を見つけるためです。
課題解決に適切な手段や方法を明示せず、自社商品の広告色が強いコンテンツを作成すると、顧客の不信感が募り、その後の購買行動に繋がらない可能性が高いでしょう。
よって顧客の問題解決に役立つコンテンツを作成することが重要です。
ZMOT段階で購入意思が固まる商品やサービスばかりではない
ZMOTは購買意思決定に大きく関わりますが、ZMOTで購入意思が固まるものばかりではありません。
例えばマイホームの購入や結婚式場の決定といった重大は判断をする際は、Web内の情報だけでなく実際に触れて吟味する顧客がほとんどです。
検討期間が長く、人生において重大な決断ほど口コミに頼るだけでなく「直接確認したい」という顧客の意思が反映されるため、ZMOTと同様、あるいはそれ以上にFMOT、SMOTが重要視されます。
よって自社製品の販売のためには、限りあるリソースをどこに配分するかを明確に決定することが大切です。
まとめ
ここまでZMOTの概要を中心に、ZMOTで有効とされる施策や注意点を解説しました。
ZMOT対策を適切に実施することで、認知向上はもちろん、顧客ロイヤルティも高められるでしょう。
売上向上にも寄与する可能性の高い施策ですので、自社のマーケティングに活用してみてはいかがでしょうか?
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