GMOインターネットグループでインターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ株式会社(代表取締役社長 細川 慎一 以下、GMOリサーチ)は、GMOリサーチが保有する日本のモニターと中国の提携モニターを対象に「ミネラルウォーターに関する調査」を実施いたしました。
●調査テーマ:ミネラルウォーターに関する調査について
●調査地域:日本、中国
●調査対象:ミネラルウォーターを日常的に購入しており、自宅で飲用・使用している20~49歳の男女、各国900名ずつ 計1,800名
●調査期間:2014年8月25日~2014年9月5日
●調査方法:インターネット調査(クローズド調査)
【調査背景】
かつて日本では、水道水をそのまま飲用する消費者が多く「水を購入する」という習慣がさほどありませんでしたが、2013年にGMOリサーチが実施した「飲料・ミネラルウォーターに関する実態調査」(※)において、中国ではミネラルウォーターを購入する習慣が定着しており、日本でもミネラルウォーターを日常的に購入する人が一定数いることが分かっています。
また、東日本大震災後より備蓄用ミネラルウォーターの需要が増加しているほか、フレーバー付きミネラルウォーターや宅配水など様々な種類の飲用水が販売されており、今後の消費者の動向が注目されています。
そこでGMOリサーチでは、日中両国のミネラルウォーターに関する消費者実態をより把握するため、両国のモニターを対象にインターネットでのアンケートを実施いたしました。
※:2013年6月3日発表 『飲料・ミネラルウォーターに関する実態調査』(2013年4月30日~2013年5月2日実施)
URL:http://www.gmo-research.jp/950.html/
【調査結果】
■ミネラルウォーターの飲用・使用場所(図1)
・日本では、「外出時」や「職場・学校」での飲用が約30%前後であったのに対して、中国では「外出時」が81.3%、「職場・学校」が54.2%となっており、中国では自宅以外でのミネラルウォーターの飲用が定着していることがわかった。中国は日本に比べてミネラルウォーターが日常生活により深く溶け込んでいることがうかがえる。
■家庭内で主に飲用する水の種類(図2)
・次に、ミネラルウォーターがどの程度自宅で飲用されているかを把握するべく、家庭内で主に飲用する水の種類について調査したところ、日本では「ミネラルウォーター」が66.4%と、その他の種類の6倍以上の数値となり、家庭内では主にミネラルウォーターが飲用されていることが分かった。
・一方、中国でも「ミネラルウォーター」が34.6%と1位となったものの、「水道水をそのまま」(23.4%)「浄水器の水」(17.6%)を合計すると41.0%と、「ミネラルウォーター」の数値を超えており、家庭では水道水を飲用する人が一定数存在することが分かった。
・また、「宅配水の水」を飲用すると回答した人は日本:6.9%、中国:17.9%と中国が日本の2倍以上となっており、日本に比べて宅配水の利用が普及していることがうかがえる。
■ミネラルウォーターの購入理由、重視する点(図3~4)
・ 自宅での利用を目的としたミネラルウォーターの購入理由については、日本では「おいしいから」(33.3%)、「水道水はおいしくないから」(30.9%)と回答した人が購入理由の上位に位置し、「水のおいしさ」を重視する傾向があることが判明した。一方中国でも「おいしいから」と回答した人が37.9%にのぼったものの、それ以上に「ミネラルやその他の成分が豊富に含まれているから」(44.1%)や、「安全性が高いから」(38.3%)、「水道水に不安があるから」(38.1%)と、「水のおいしさ」よりも水の成分や安全性への関心が高いことがわかった。自宅で水を飲用・使用する際に懸念している点が日中で異なることが浮き彫りとなった。
・ミネラルウォーターを購入する際に重視する項目について、日本では、「価格」(87.3%)、次いで「安全性」(72.6%)、「メーカー、ブランド」(66.7%)の順となり、購入の決定には価格が最も影響を与えているものの、安全性や信頼性も重要な基準となることが判明した。一方中国で特に回答が多かったのが「安全性」(92.4%)、「メーカー、ブランド」(91.4%)、「口コミ・評判」(89.2%)となり、メーカー・ブランドへの信頼性や安全性を重視しているほか、他の消費者による評判も参考にしていることが分かった。
・なお、「価格」(日本:計87.3%、中国:計78.6%)以外のすべての項目で、中国が日本の数値を上回っており、さらに中国ではほとんどの項目が70%を上回る数値を示していることから、ミネラルウォーターの購入時に、「安全性」や「メーカー、ブランド」「口コミ・評判」に加えて、総合的に選んでいる様子がうかがえる。
■自宅で飲用・使用するミネラルウォーターの購入の増減について(図5~6)
・1年前と比較したミネラルウォーターの購入の増減については、日本では「変わらない」(58.4%)が「増えた」(39.4%)と回答した人に比べ多かった一方、中国では「増えた」と回答した人が68.8%となった。しかし、日本、中国共に「減った」と回答したのは、日本:2.1%、中国:0.3%といずれも低く、ミネラルウォーターの需要が堅調であることが分かる。
・購入の増加理由については、日本では「ミネラルウォーターがより手軽に購入できるようになったから」(35.2%)、「飲用・使用用途が増えたから」(31.5%)と回答した人が多く、昨今の販売経路の多様化や、飲料水の種類が増加していることが影響していると考えられる。一方中国では、「飲用・使用用途が増えたから」(50.6%)、「水道水に対する不安が増したから」(48.3%)、「他の方法(水道水・宅配水等)からミネラルウォーターでの飲用・使用に変更したから」(32.3%)と回答した人が多く、水道水の代用としてミネラルウォーターを利用している様子がうかがえる。
【総論】
今回の調査で、中国と日本においてミネラルウォーターの購入理由の相違が見えてきました。
日中ともに、水の安全性や、ブランドやメーカーの信頼性を購入の判断基準としているものの、中国では水の成分に高い関心をもっているほか、水道水への不安からミネラルウォーターを購入していることが分かりました。この背景には、昨今の工場の廃水による水質汚染の問題が影響していると考えられます。
一方日本では、優れた浄水処理技術によりそのまま飲める水が供給されているものの、より「おいしい水」を求めてミネラルウォーターが購入される傾向にあります。また、安全性よりも低価格での提供を求める割合が多いことから、長く続いたデフレによる消費者の節約志向とそれに伴う価格競争を背景に、コストパフォーマンスの高さが購入を決定づけているといえます。
日本・中国では、それぞれの社会・経済状況の違いによりミネラルウォーターの購入に至る経緯は異なりますが、今後も飲用水や生活用水として安全性の高いミネラルウォーターの需要は増加し、インターネットショッピングや宅配水といった販売経路の多様化のほか、フレーバーウォーター、スパークリングウォーターをはじめとする飲料水の種類の充実が求められていくとGMOリサーチは考えます。
【参考資料】
(図1)ミネラルウォーターの飲用・使用場所 [N=各国 900 複数回答]
(図2)家庭内で主に飲用する水の種類 [N=各国 900 単一回答]
(図3)自宅で飲用・使用するミネラルウォーターの購入理由(上位7位までを表示) [N=各国 900複数回答]
(図4)ミネラルウォーターを購入する際、重視する項目 [N=各項目、各国 900 単一回答]
(各項目5段階評価で「重視する」、「やや重視する」と回答した割合)
(図5)1年前と比較した、自宅で飲用・使用するミネラルウォーターの購入割合の増減 [N=各国 900 単一回答]
(図6)自宅で飲用・使用するミネラルウォーターの購入割合の増加理由
[図5で「増えた」と回答した回答者 N=日本:355、中国:619 複数回答]
【報道関係お問い合わせ先】
◆GMOリサーチ株式会社
TEL:03-5784-1100 FAX:03-5784-1105 E-mail:pr@gmo-research.jp
◆GMOインターネット株式会社 グループ広報・IR部 細田・石井・島田
TEL:03-5456-2695 FAX:03-3780-2611 E-mail:pr@gmo.jp
【調査に関するお問い合わせ先】
◆GMOリサーチ株式会社 白鳥
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