【市場調査】無料で使える統計データサイト11選
2021年05月18日
「〇〇というデータが欲しいのだけど、どうすれば見つかるのか……」
「アンケート調査を行うのに、どんなツールを使えばいいかわからない」
「マーケティングの資料や企画書づくりをしたいが、どんなデータを見ればいいのかわからない」
「市場調査しておいてと言われたけど、何から始めたらいいのかわからない」
「市場調査」と一口に言っても、そのために必要な知識や行うべき手順は多岐に渡ります。
この記事では、市場調査を助けてくれる便利な統計データを提供するサイトをご紹介します。
市場調査はなにから始める?
市場調査は通常どのようなステップで行われるのでしょうか?
市場調査はさまざまな手法があります。さらに、「必ずこのステップで行うべき」と決まったやり方があるわけではなく、状況や扱うものにより都度工夫されます。
市場調査をしようと思ったときに、なにか便利なサイトやツールがあり、 そこでサーチすれば一発で答えが出る。
そんなことが出来れば良いのですが、残念ながらその方法で調査が成功することは少ないです。
サーチエンジンを使っても良い市場調査はしにくい
多くの人にとって良い市場調査を行うためには、まず第一に、
調査を行いたい人自身がマーケティング課題を整理し、調査によって明らかにしたいことを明確にしておく
という地道なステップからスタートする必要があります。
リサーチでは「仮説を立てる」と言われています。
◆仮説の例
- 堅調だったブランドが最近低迷した理由は、他ブランドに比べてパッケージの色味が目立ちにくくなってきたからではないか?
- 他社製品では500mlがラインナップされているが、実は多すぎると悩んでいる人が多いのではないか?
- ライフスタイルの変化で、レストランやバーを利用する年齢層は高めになっているのではないか?
「仮説を立てる」と表現されると、高尚なことを言わなくてはいけないと気負ってしまうかもしまいません。しかし、仮説はもともと市場調査をしようと思うときに誰しもがぼんやりと持っていることではないかと思います。 「〇〇の市場規模はどうなっているのだろう?」「〇〇の売上は落ちているのだろうか?」こういったぼんやりと持っている疑問をもう一段階深堀りすることで、この後の実際の調査がぐっと深まります。
「仮説を立てる」ことを、リサーチの一部としてぜひ習慣づけましょう。
市場調査のステップと手法
市場調査の手法にはいくつか種類があります。まずは、示唆を得たい人や企業が直接消費者や顧客に調査する「一次データ収集」の手法について説明しましょう。
一次データ収集:サンプリングデータとビッグデータ
まず最初にサンプリングデータとビッグデータについて整理しておきましょう。
サンプリングデータは、対象となる全員に訊くのではなく、全員を代表する一部の人たちを抽出(サンプリング)して調査した結果のデータです。 アンケートやインタビューなどを設計企画し、機会を作り「集めるデータ」です。
一方、ビッグデータは、総務省によるとこのように定義されています。
ビッグデータの定義及び範囲
デジタル化の更なる進展やネットワークの高度化、またスマートフォンやセンサー等IoT関連機器の小型化・低コスト化によるIoTの進展により、スマートフォン等を通じた位置情報や行動履歴、インターネットやテレビでの視聴・消費行動等に関する情報、また小型化したセンサー等から得られる膨大なデータ
引用「総務省|平成29年版 情報通信白書|ビッグデータの定義及び範囲 」
例えば、POSデータや位置情報、SNSやブログの書き込みといった膨大かつ多様なデータがビッグデータです。 わざわざ設計企画せずとも「集まるデータ」である一方、多様すぎて分析や活用に課題があります。
サンプリングデータを活用してビッグデータの価値を高める、データアクティベーションという取り組みも各業界で進められています。
ビッグデータを活用した市場調査の手法例
ビッグデータを活用した市場調査には例えばこのような手法があります。
ソーシャルリスニング・SNSリスニング
ソーシャルリスニングは、Twitter, Instagramといったソーシャルメディアで顧客の生の声を拾い上げる市場調査の方法です。 ブランドイメージやプロモーション施策の効果をスピーディに知ることができます。
ソーシャルメディアでの投稿は、誰かに誘導されてではなく自ら発信したものが多く、従来の市場調査で取りにくかったデータを得られるメリットがあります。
売上データの分析
POSデータやID-POSデータといった売上データを分析、観察することで顧客や店舗の傾向や経年変化を知ることが出来ます。ただし、売上データによる分析は対象が既存顧客に限定されてしまう特徴があります。
センサーデータ
IoT機器の普及で、センサーやログのデータが膨大に蓄積されています。 顧客の行動をログ解析することで、顧客も自覚していないような行動についてインサイトを得たり、カスタマーエクスペリエンス向上につなげることが期待出来ます。
サンプリングデータを活用した市場調査の方法
サンプリングデータは、従来の市場調査でメインとなっている手法です。 インターネット調査や電話調査、訪問調査やインタビューなどにより、大多数を代表する一部(サンプル)を対象に調査します。
※一次データを収集するリサーチについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
マーケティングリサーチとは?基本用語と手法をわかりやすく解説
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一次データ取得の前に、二次データをリサーチする
こういった一次データを取得・分析するにはどうしても手間と費用がかかります。
そのため、実際には、一次データに取り掛かる前に、「二次データ」と呼ばれる官公庁やシンクタンクといった機関が公表しているデータをリサーチすることが多いです。
二次データを当たるリサーチは、デスクリサーチと呼ばれます。名前の通り、検索のみで完結することから、手間・費用を少なくリサーチを行いやすいという特徴があります。
次に、デスクリサーチで役に立つ無料のサイトをご紹介します。
ジャンル別、無料で市場調査ができるサイト11選
実際にしようと思ったとき、どのようなサイトを役立てればいいのでしょうか? ここでは、無料で使えるサイトのうちでも
- 信頼性が高い
- 更新頻度が高い
- 使いやすい/見やすい
こんな観点から、多くの人におすすめできる無料のサイトを選び、ジャンル別に分けました。
- 総合
- 経済
- IT
- ライフスタイルほか
総合:市場調査に役立つサイト
幅広いジャンルで市場調査に使えるサイトを2つご紹介します。
e-Stat:信頼できる全国規模のマクロデータが欲しいときはまずここ
政府統計の総合窓口(e-Stat)」は、各府省が公表する統計データを一つにまとめ、統計データの検索をはじめとした、さまざまな機能を備えた政府統計のポータルサイトです。 知りたい統計データを簡単に検索して、パソコンにダウンロードできるほか、データベース化されたデータを使って人口ピラミッドなどのグラフを作成する機能、統計データを地図上に表示する機能など、ユーザーのニーズの高い機能を数多く備えた便利なサイトです
引用「統計局ホームページ/政府統計の総合窓口(e-Stat)ってなんだろう?」
◆e-Statの調査内容例
- 国勢調査
- 人口の変動推移
- 経済動向
- 消費者状況
- ◆e-Statのメリット
-
- 各府省の調査が掲載されており、ジャンルが多岐に渡る
- 民間調査では調査が難しいような大規模な定点調査データ
- 政府機関の調査という信頼性の高さ
- ◆e-Statのデメリット
-
- マクロデータすぎてマーケティング施策に落とし込みづらい可能性
- 調査結果として発表されるまで1年~ほどのタイムラグがある
e-Statに関連するサービスも優れています。
調査のチカラ:カテゴリーごとのアンケートまとめで視野が拡がる
「調査のチカラ」で掲載しているデータは、インターネット上のさまざまなソーシャルブックマーク/SNS等の公開データを参考に抽出され、当サイトはその紹介のためのリンクを掲載しているに過ぎません。あなたの代わりに情報の大海の中から調査データだけをフィルタリングして整理・集約し、そこに評価情報等を付け加えてご紹介するのが「調査のチカラ」の役割です
引用「このサイトについて|調査のチカラ」
◆調査のチカラの調査内容例
- グローバル化に成功していると思う日本企業ランキング
- 趣味がない人必見! 人気の趣味ランキング5選
- ◆調査のチカラのメリット
-
- インターネット上に公開されているアンケートの大規模まとめ
- 幅広いデータが12カテゴリーにフィルタリング
- トレンドを反映した最新の統計データ
- ◆調査のチカラのデメリット
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- サイト自体はアンケートのリンク集に過ぎず、精度は各調査ごとに異なる
経済:市場調査に役立つサイト
経済について市場調査をしたいときに役立つサイトを3つ紹介します。
経済産業省 経済解析室:統計データに苦手意識のある人でも取り入れやすい
スポーツ記事からグローバル経済の動きまでワンストップで解説しています!
引用「経済解析室とは何をしているところでしょうか(pdf版/2.31MB)」
◆経済産業省 経済解析室の内容例
- 経済解析室ニュース
- ミニ経済分析
- 統計利活用事例集
- 統計情報
- ◆経済産業省 経済解析室のメリット
-
- 政府機関の調査という信頼性の高さ
- 一部e-Statに無い経産省独自の統計データも取り扱う
- スライドや動画、漫画などを活用した解説があり、統計に苦手意識のある人でも取り入れやすい
- ◆経済産業省 経済解析室のデメリット
-
- 統計の種類は多くはない
経済産業省 中小企業庁:中小企業の動向・実態を知るならここ
引用「中小企業庁:白書・統計情報」
- ◆中小企業庁のメリット
-
- 政府機関の調査という信頼性の高さ
- デスクリサーチでデータが得にくい中小企業にフォーカスした調査
- ◆中小企業庁のデメリット
-
- 統計データの種類は少ない
- 更新頻度は高くない
公益財団法人 日本生産性本部:企業活動や生産性に関わる調査を実施
日本生産性本部は1955(昭和30)年に「生産性向上対策について」の閣議決定に基づき、政府と連携する民間団体として設立され、米国に経営組織、生産管理、マーケティングなどの経営手法を学ぶための視察団を派遣するなどして戦後の日本経済の復興と高度経済成長を支えました。 (中略) 現在ではその活動は人材育成研修や経営コンサルティングなど産業の生産性向上を支えるさまざまな分野に広がり、生産性に関する調査研究・提言活動も行っています。
引用「日本生産性本部とは | 日本生産性本部について | 公益財団法人日本生産性本部」
◆日本生産性本部の調査内容例
- 生産性統計
- レジャー白書(※短信のみ無料公開)
- 新入社員意識調査
- 顧客満足度調査(JCSI)
- ◆日本生産性本部のメリット
-
- 企業にフォーカスした生産性動向についての統計
- 日本版の顧客満足度指標を用いた、業種を超えた顧客満足度調査
- ◆日本生産性本部のデメリット
-
- 調査の更新頻度にムラがある
IT系:市場調査に役立つサイト
ITに関連する市場調査をしたいときに役立つサイトを2つ紹介します。
総務省 情報通信統計データベース:情報通信分野で信頼できるサイト
情報通信統計データベースでは情報通信に関する各種統計データを提供しております
引用「総務省|情報通信統計データベース」
◆情報通信統計データベースの調査内容例
- 情報通信業基本調査
- 通信利用動向調査
- ◆情報通信統計データベースのメリット
-
- 通信や放送の情報に特化
- 定点調査が中心
- インターネット、テレビ、ラジオなどの統計データ
- ◆情報通信統計データベースのデメリット
-
- 更新頻度は年3回程度と高くはない
MMD研究所:スマホ・タブレットに関する分かりやすく豊富な調査
スマートフォン、タブレットを中心とした消費者動向や市場調査を無料で公開
引用「MMD研究所 スマートフォン、タブレットを中心に消費者動向をリサーチする調査機関」
◆MMD研究所の調査内容例
- 通信キャリアのプラン変更・乗換え検討先はトップがドコモ、次いで楽天モバイル、「ahamo」の72.9%、「povo」の82.4%、「LINEMO」の76.6%は現通信キャリアから移行
- 2020年のオンラインでの就活経験者は69.4% 8割以上が今後もっとオンライン就活が普及してほしいと回答
- ◆MMD研究所のメリット
-
- モバイル端末に関する統計データが掲載
- 共同調査や他社の調査結果も掲載/li>
- 調査データが記事のように読める
- 更新頻度が高い
- ◆◆MMD研究所のデメリット
-
- 詳細な統計データ(PDF形式)をダウンロードするには会員登録が必要
ライフスタイルほか:市場調査に役立つサイト
ライフスタイルや消費者動向の市場調査をしたいときに役立つサイトなどを4つ紹介します。
博報堂 生活定点(現 生活総研):生活者のトレンドが見やすくまとまった良サイト
「生活定点」は、1992年から隔年で実施する時系列観測調査です。日頃の感情、生活行動や消費態度、社会観など、多角的な質問項目から、生活者の意識と欲求の推移を分析することを目的としています
引用「生活定点はこう見るとおもしろい|生活定点1992-2020」
◆生活定点の調査内容例
- 友人は多ければ多いほどよいと思う
- 男性でも、育児休暇をとるべきだと思う
- 日常的に携帯電話やスマートフォンで支払いをしている
- ◆生活定点のメリット
-
- 21のカテゴリに分けられた約1,400の調査項目
- 1992年から2020年の28年間に及ぶ定点調査
- グラフ傾向による検索や人の属性の比較も可能
- ◆生活定点のデメリット
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- 掲載調査数が多くはない※
- 調査地域は首都40km圏、阪神30km圏に限られており地方の声を反映しているとは言えない
2016年までは生活定点というサイトでしたが、2017年以降は生活総研と改名され・別サイトが制作されています。
リクルート:最新の消費者動向を幅広く捉える
◆リクルートの調査内容例
- 外食市場調査
- SUUMO住みたい街ランキング
- 美容センサス
- ◆リクルートのメリット
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- 国内最大手の人材総合サービス企業として得られた消費者動向を一部公開
- 地域別、四半期別など細かいセグメント
- 更新頻度が高い
- ◆生活定点のデメリット
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- まとまった経時データとしては公開されていない
- pdfファイルによる公開のため、数値データそのもののダウンロードはできない
JMR生活総合研究所:消費動向のトレンドをおさえられる
消費に関連する基礎的な統計資料や当社が企画した注目トピックスや商品に関する消費者調査の結果から、現在の消費者動向を読み取ります。最新スポットなどのトレンド情報もお届けします
引用「トレンド&データ - J-marketing.net produced by JMR生活総合研究所」
◆JMR生活総合研究所の調査内容例
- アルコール市場酒類別課税出荷数量
- 性別・年代別 テレビの視聴時間
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター
- 「流通」のマンスリー・ニュースレター
- ◆JMR生活総合研究所の調査内容例
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- BtoCのマーケティングに関する豊富な12カテゴリの調査
- 稀有な「食と生活」「流通」に関する月次統計データ
- ◆JMR生活総合研究所のデメリット
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- 統計データの閲覧には会員登録が必要。(無料会員もしくは有料会員)
電通 日本の広告費:広告を概観するなら必見
「日本の広告費」は、日本国内で1年間(1〜12月)に使われた広告費(広告媒体料と広告制作費)の統計です。1947年に推定を開始し毎年発表しているもので、マス四媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)をはじめ、衛星メディア関連、インターネット、プロモーションメディアについて、媒体社や広告制作会社のご協力を得ながら推定を行っています。
◆日本の広告費の調査内容例
- 日本の広告費
- ◆日本の広告費のメリット
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- 広告代理店国内最大手である電通によるWebデータベース
- 総広告費・媒体別広告費・業種別広告費と分類
- ◆日本の広告費のデメリット
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- 海外の広告についての調査や広告費以外の調査の掲載は無し
まとめ
手軽に市場調査したいときに便利な統計データを扱うWEBサイトを無料で利用できるものに絞ってご紹介しました。 市場調査はいくつか便利なサイトを知っているだけでも精度をぐっと上げることが出来ます。ぜひ活用してみてください。
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参考文献
『デジタル時代の基礎知識 リサーチ 多彩なデータから顧客の「すべて」を知る新しいルール』石渡佑矢
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