【サンプルあり】顧客満足度調査とは?有効な指標や調査の流れを解説
2024年07月30日
市場にはさまざまな商品・サービスがあふれており、消費者は自分で情報収集した中から好みに合った商品・サービスを自由に選べるようになりました。その結果、市場の競争は激化しており、企業は顧客ニーズを正確に捉えたうえで、商品・サービスを売り出すことが求められています。
そのため、多くの企業が顧客の声を拾い上げるべく「顧客満足度調査」を実施しています。しかし、はじめて顧客満足度調査を行う場合、重要性や調査の流れがわからないという企業も多いでしょう。
そこで、この記事では顧客満足度調査の概要や重要性、活用シーン、調査の流れを解説します。
顧客満足度調査(CS調査)とは
顧客満足度調査とは、商品・サービスを実際に利用した顧客に対して、満足度やその理由を把握するための調査手法です。顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)から、CS調査とも呼ばれています。
顧客満足度調査は、Webを利用したアンケート調査やインタビュー調査、口コミ・レビューの確認、カスタマーサポートの記録などで実施できます。
顧客満足度調査の重要性
顧客満足度調査が重要である理由には、あらゆる分野において商品・サービスが飽和状態になっているため、以前のように価格や性能における他社との差別化が難しくなっていることが挙げられます。
各企業は他社との差別化のために「顧客が感じている自社の強みは何か」「顧客が自社商品・サービスの何に満足しているのか」などを顧客満足度調査により知ることで、自社の経営戦略に役立てることができるのです。
顧客満足度調査が活用される場面
顧客満足度調査が活用される場面について解説します。
商品・サービスの開発・改良
顧客満足度調査により、顧客が既存商品・サービスに対し満足している部分や不満な部分を正確に把握できます。そのため、顧客の声を反映させた既存商品・サービスの改良や新商品・サービスの開発が可能です。
顧客の声を反映した開発・改良を実施することで、顧客からの信頼獲得にもつながります。
リピーターの獲得
商品・サービスに満足した顧客は、リピーターになってくれる可能性があります。リピーターやファンを多く獲得できれば、売上の安定につながるため、企業は積極的にリピーターを獲得するための施策を実施することが必要です。
そのためには商品・サービスの品質自体の顧客満足度だけでなく、購入にいたるまでの接客や電話対応、購入後のアフターサービスなどにおける満足度も把握したいところ。顧客満足度調査で設問を工夫することにより、リピーターを獲得するための施策立案や改善に活用できます。
広告宣伝
商品・サービスの広告宣伝に掲載するために顧客満足度調査を実施するケースも増えています。
例えば「顧客満足度No.1」や「顧客満足度98%」などの調査結果を広告やホームページ、商品LPなどに記載することで、顧客からの信頼性の向上につながります。またインタビュー調査や口コミ・レビューから顧客の声を広告に掲載することで、顧客の購入意欲を高められる可能性があります。
顧客満足度調査によく活用される指標
顧客満足度調査によく活用される指標について解説します。
NPS®️(Net Promoter Score)
NPS®️(Net Promoter Score)とは、顧客ロイヤルティ(商品・サービスに対する忠誠心、愛着、思い入れ)を数値化した指標です。NPS®️では、「自分が今後も使い続けたい」という継続利用意向ではなく、「他人にすすめたい」という他者推奨意向の調査時に利用されます。
NPS®️では、「0~10点で評価するとしたときに、あなたは〇〇(企業やブランド、商品・サービスなど)を、友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?」と設問し、以下のように顧客を分類します。
- 0~6点をつけた顧客:批判者
- 7~8点をつけた顧客:中立者
- 9~10点をつけた顧客:推奨者
そして、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数がNPS®️です。非常にシンプルでわかりやすい指標として、多くの企業で採用されています。
CSI
CSI(Customer Satisfaction Index)とは、自社商品・サービスと相関関係にある以下の5つの項目から質問を複数行い、結果の平均値を算出して顧客満足度を測定する指標です。
- 顧客期待値:企業ブランドへの期待
- 知覚品質:全体的な品質評価
- 知覚値:コストパフォーマンス
- 顧客不満度
- 顧客忠実度
CES
CES(Customer Effort Score)とは、顧客が商品・サービスを利用するまでにどの程度の努力(労力)が必要だったかを表す指標です。直訳して、「顧客努力指標」とも呼ばれます。
CESのスコアが高い場合、顧客がストレスを抱え、不満につながりやすい状態です。そのため、顧客満足度を直接表す指標ではないものの、CESを活用することで顧客満足度を妨げる要因の解決につなげられます。
顧客満足度調査の流れ
顧客満足度調査の流れを以下にまとめました。
1.目的を明確にする
まずは調査目的を明確にします。
調査目的が定まると、調査対象や方法、調査内容、調査票を決定する際の方向性が見えてきます。そのため、できる限り具体的な目的を策定しましょう。
例えば「既存商品の改良に活用する」ことが目的の場合には、以下のような方向性が見えてきます。
- 調査対象:継続的に自社商品を購入している顧客
- 調査方法:Webアンケート調査・インタビュー調査
- 設問票:購入者が既存商品・サービスのどこに満足しているのか、もしくは不満を感じているのか
2.仮説を立てる
調査目的が定まったら、社内メンバーで仮説を立てましょう。仮説を立てることで、社内と顧客との間にある認識のギャップを把握できたり、調査票を作成する際に活用できたりします。
例えば、「既存商品・サービスの売上が低迷している」場合には、「競合他社の新商品・サービスと比較して、性能に不満をもっているのではないか」「既存商品・サービスのアフターフォローが利用しにくいのではないか」などの具体的な仮説を立てます。
3.調査票を設計し、実査する
仮説をもとに調査対象や調査時期、調査の実施方法などを定め、調査票を設計し、実査します。
調査方法には、「自社で行う」「リサーチ会社に依頼する」「デスクリサーチ」の3つの方法があります。
はじめて顧客満足度調査を行う場合、専任スタッフによるフルサポートを実施しているリサーチ会社に依頼することがおすすめです。より効果的な調査になるようにサポートしてくれます。
また調査票のアンケート例はのちほど紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
4.調査結果を分析する
調査を実施したら、調査結果を集計・分析します。分析方法にはさまざまな方法がありますが、調査目的に合わせた分析手法を選ぶこと大切です。分析により、顧客に評価されている部分や改善点を可視化します。
その後、事前に立てた仮説と照らし合わせて、顧客視点での商品・サービスの課題に対する改善を立案するなど、経営戦略に活用しましょう。
【サンプル】顧客満足度調査のアンケート例
最後に顧客満足度調査のアンケート例を紹介します。
Q1:弊社の〇〇(商品・サービスなど)に、どの程度満足していますか。次の1~5から選んでください。
【回答欄】
5:非常に満足
4:やや満足
3:どちらともいえない
2:やや不満
1:非常に不満
Q2:Q1のように回答された理由をお聞かせください。
【回答欄】
自由回答
Q3:弊社の〇〇(商品・サービスなど)の以下の点における満足度を教えてください。
1. 品質の良さ
2. デザイン
3. 価格
4. 耐久性
5. 使いやすさ
6. お客様サポート
【回答欄】
5:非常に満足
4:やや満足
3:どちらともいえない
2:やや不満
1:非常に不満
Q4:弊社の〇〇(商品・サービスなど)を友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?次の1~5から選んでください。
【回答欄】
5:とてもおすすめしたい
4:ややおすすめしたい
3:どちらともいえない
2:あまりおすすめしたくない
1:まったくおすすめできない
まとめ
この記事では、顧客満足度調査の活用シーンや指標を解説し、アンケート票のサンプルも紹介しました。
商品・サービスの性能だけで競合他社と差別化することが難しい現代では、顧客のニーズに沿った商品・サービスを提供することが欠かせません。そのため顧客満足度調査の重要性はますます増しています。
顧客満足度を行う目的を明確にしたうえで、調査票を作成しましょう。
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CS調査のよくある失敗例はこちらをご覧ください。
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