ホームユーステスト(HUT)とは?流れやメリット 注意点を解説

2021年06月28日

ホームユーステスト(HUT)とは?流れやメリット 注意点を解説

消費者に受け入れられるように製品を改良・新製品を開発したいと考えるのは当然のことです。
そこで注目を浴びているのが、ホームユーステストです。

ホームユーステストは、対象者の自宅にテスト製品を郵送し使ってもらい、感想や意見を聞き取る調査方法です。

本記事では、ホームユーステストの概要、メリット・デメリット、注意点について解説します。
ホームユーステストの導入を考えている方や、効果的な実施方法について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

ホームユーステスト(HUT)とは

ホームユーステスト(HUT)とは

ホームユーステストは、対象者の自宅にテスト製品を郵送し試用・試飲・試食してもらい感想や意見を聞き取る調査方法です。

自社や特設会場などで行うテストとは異なり、より実生活に近いところでの使用感や意見を得られることができるのが最大のポイントです。製品の使用期間を一定期間を設けたい場合にも有効です。

ホームユーステストで対象者のリアルな感想を集め分析することで、製品の開発・改良や顧客獲得に繋げることが出来るでしょう。

ホームユーステストを実施する製品は、

  • 食品
  • 化粧品
  • ペット用品
  • 家電製品

その他にも、さまざまな製品で可能です。

ホームユーステスト(HUT)と会場調査(CLT)の違い

ホームユーステストと混同されやすいものに、会場調査(Central Location Test:CLT)での試用テストが存在します。

ホームユーステストと会場調査は、対象者に実際に製品を手に取ってもらえるという点では同じですが、調査場所と期間が異なります。

調査場所の違い

会場調査では、あらかじめ設定した会場に調査対象者を集めてアンケートやインタビューを行います。
そのため同一の条件下で調査することが可能ですが、ホームユーステストのように普段の生活の中で感じたことや意見を収集することはできません。

調査期間の違い

会場調査では所定の会場に足を運んでもらって実施するため、長期間に渡り連続して行うことが難しいというデメリットがあります。
その点、ホームユーステストは対象者への負担が会場調査よりも少ないため、一定期間使用しないと効果や感想がわからないような調査であっても行うことができます。

ホームユーステストの種類

ホームユーステストでは「調査者がどんなことを知りたいのか」によって製品の提示方法や評価方法を細かく選択する必要があります。

  • ブランド名を明らかにするか
  • テストする製品は単一か複数か
  • テストが複数の場合、すべて絶対評価するのか1つだけ絶対評価するのか

こういった違いにより、大きく6つの方法に分けることができます。
ホームユーステストの種類についてそれぞれ解説していきましょう。

ホームユーステストの種類 ①提示方法による区別

ブランデッドテスト:ブランド名を明らかにする

ホームユーステストの種類 ②評価方法による区別

ブランデッドテストは製品を手がけたブランド名を明らかにした上でテストを実施する手法です。

どこのブランドの製品ということが対象者に知らされた上でテストされることになるので、ブランドのイメージも含めた評価を得ることができます。

製品とブランドの既存イメージを対照して調査したいときに有効な方法です。

ブラインドテスト:ブランド名を明らかにしない

ブラインドテストはブランド名を隠してテストを実施する手法です。

ブランドイメージに左右されない製品単体の評価を求める際に有効な方法です。

モナディックテスト:対象が単一

モナディックテストは単一の製品を試用してもらい評価を得る方法です。

製品に対する単独の評価を知りたい場合や類似する製品がない場合、この方法を取ります。

直接比較法:対象が複数

直接比較法は複数の種類の製品を比較して評価する方法です。
複数種類の製品を比較して、相対的に見た場合のそれぞれの優劣について調査したい場合に使われる方法です。

製品の棚に並べられたときに実際に手に取ってもらえるか知りたい場合や、新製品の訴求やターゲットを知りたいときに、非常に有効です。

シークエンシャルモナディック法:すべて絶対評価する

シークエンシャルモナディック法は対象者がすべての製品の絶対評価を行ったあと、最後に全製品を比較、評価をする方法です。

試用する順番によって影響を受けやすいため、グループ分けをして順番を入れ替えたりランダムにしたりなどする必要があります。

プロトモナディック法:1つだけ絶対評価する

プロトモナディック法とは、最初に試用する1つの製品のみを絶対評価し、残りの製品はすべて比較評価を行う方法です。

既存製品や競合の製品と比較したい場合に有効な方法です。

ホームユーステストのメリット・デメリットは?

次に、ホームユーステストのメリットとデメリットについて解説していきます。

ホームユーステストのメリット

まずは、ホームユーステストのメリットからみていきましょう。

メリット1.ターゲットの使用環境を想像する手助けとなる

ホームユーステストにより、対象者本人だけでなく対象者をとりまく家族や同居人の意見を聞くことができることがあります。他の調査方法よりも調査者がユーザーの使用環境を想像するための情報をより得られる可能性があります。

製品に求められる機能や必要のないものが具体的にイメージできるようになり、より消費者のニーズを満たしやすい製品を作りやすくます。

メリット2.使用の途中経過を調査することができる

実際の日常生活の中での使用経過を調査できるので、よりリアルな使用感、製品の消耗度といった問題点がわかります。
特設会場での調査やインタビューでは、途中経過の情報をこと細かく収集することは難しいので、リアルな試用経過を長期間見ることができるのはホームユーステストならではのメリットといえるでしょう。

メリット3.調査を通してファンを獲得できることがある

製品を使用してもらうことで、調査を引き受けてくれた対象者を顧客化できることもあります。

対象者が製品の性能が高く気に入ってもらえた場合はもちろん、ホームユーステストを依頼するやり取りのコミュニケーションなどで好印象を持ってもらった場合などは、調査が終わっても自社の製品を愛用してくれることもあります。

ホームユーステストのデメリット

次に、ホームユーステストのデメリットを解説していきます。

デメリット1.途中離脱の可能性がある

対象者と対面でのやり取りがないホームユーステストでは、製品送付後に対象者と連絡が取れなくなるなどの途中離脱が起こる可能性があります。

メールやSNSのダイレクトメールなどでやり取りを行う場合は、相手の顔がイメージできず簡単に離脱されてしまう恐れもあるのです。

デメリット2.報酬や製品の発送・返送費用がかかる

ホームユーステストを依頼する対象者への報酬や、製品の発送などの費用がかかります。製品によっては、調査後の回収も必要になるので、返送時の送料も必要です。

また、調査してもらう製品によっては厳重な梱包や冷凍などを利用する必要があり、さらにコストがかかることもあります。

デメリット3.正確な調査結果が出ないことがある

対象者の環境や案内の認識の行き違いによって、正確な調査結果が出ないこともあります。

自宅で行ってもらう調査では行き届いた監視ができないため、説明どおりに使用しているかの確認も難しく、説明書などを添付してもその通りに試用してくれない場合もあります。

ホームユーステストの流れ

ホームユーステストは、具体的にどのように実施するのでしょうか?

次は、ホームユーステストを実施する流れを見てみましょう。

ホームユーステストの流れは、一般的に、調査企画、スクリーナー作成、モニター募集と実査、アンケート集計・分析となります。
それぞれの段階で何が必要なのか、注意すべきポイントについて解説していきます。

ホームユーステストの流れ

1.調査企画

ホームユーステストの実施前に、まずは社内で「どの製品について調査するか」「どのように進めていくか」など企画を作成します。

このとき「実際にホームユーステストを実施するかどうか」も含め話し合う必要があります。
というのも、ホームユーステストを実施することは目的ではないからです。あくまでも、テストを実施することで得られる調査結果を基に、どのように改良していくか、どういったセールスポイントを打ち出すかを決めるものです。

ホームユーステストを実施したとしても、最終的な目的を達成できなければ経費回収ができません。まずは想定される経費と得られる効果のバランスを考えての話し合いを行いましょう。
実施することが決まったら、テストの種類や評価方法について話し合い企画を練ります。

2.スクリーナー作成

実際に製品を利用すると想定されるユーザーに近い対象者を抽出するためのアンケートを作ります。その対象者を集めるためのアンケートをスクリーナーと呼びます。

適切なターゲットに対して調査を実施しないと正しい結果を得ることができないため、非常に重要なステップです。

精度の高いアンケートを作るためには、現在自社の製品を使ってくれている顧客はどのような層なのか、製品はどのようなコンセプトで作ったのかというポイントを見てみると参考になるでしょう。

3.モニター募集と調査開始

作成したスクリーナーに基づいてモニター募集を行い、調査の開始に移ります。

対象ユーザーのリクルートが難しい場合は、専門会社に募集を依頼する方法もおすすめです。

調査対象となる人数は離脱や無効票を考え、少し多めにしておくと良いでしょう。

適切な人数が確保できたら、実際にホームユーステストを実施します。

4.調査結果の集計・分析

対象者の回答を集計し、その結果を分析します。

分析した調査結果は製品の改良に活かしたり、今後また新製品を作るとなった際にも役立てることができるでしょう。

ホームユーステストの活用法

ホームユーステストの活用法

ホームユーステストは実際にどのように活用されているのでしょうか?

活用例をご紹介します。

最適品を選ぶ

商品開発後に実際の販路に乗せる前にいくつかの製品のテストを実施し消費者の受け入れられ方を調査することで、実際に販売する製品の最適品を選ぶことができます。

製品を改良・開発する

ホームユーステストの調査結果から「もっとこうしてほしい」などの意見をもらうことで、改良すべきポイントが明らかになったり、より良い製品の開発に活用できたりします。

セールスポイントを見極める

よい評価を得ることができれば、ターゲットの目線での長所がわかるので、製品を売り出す際のマーケティングに役立つセールスポイントを見極めるために活用できます。

開発者の間や社内では気に留められていなかったポイントでも、対象者には高評価を付けらえることがあります。開発者が売りにしたいポイントと消費者が喜んでくれるポイントのズレも見つけることができ、今後の開発にも活かせるでしょう。

CPテストを実施する

ホームユーステストの調査結果は製品のコンセプト内容と実際のパフォーマンスの合致度をチェックするCPテストにも活用できます。CPテストの精度を上げることで、よりリピート率の高い製品を生み出すことも可能です。

ホームユーステスト実施の際の注意点

ホームユーステスト実施の際の注意点

ホームユーステストの実施には、製品を郵送するという方法ならではの注意すべきポイントがいくつかあります。その注意点と、解決方法について解説していきます。

製品の破損に注意

郵送を伴うホームユーステストでは対象者に製品が届いた時点で製品が破損してしまっていることがあります。

製品が破損してしまうと、余分な送料がかかるうえに、再度郵送するなどの手間もかかってしまうので、適切な梱包材などを使い、破損しないようにしましょう。

情報漏えいに注意

対象者によるSNS利用などで調査に関する情報が漏えいする可能性があります。

悪気がなくとも対象者の不注意や、認識のずれによって情報が漏れてしまうこともあります。発売前の製品の情報が漏れてしまうと混乱を招く恐れがあるため十分に注意しましょう。

事前に契約書などを作成したり、情報漏えいにおける注意点を読み合わせるなどして回避することができます。

テスト品の回収率を100%にする

調査のために発送した製品を回収する必要がある場合、100%回収できるよう管理の徹底も必要です。

試作品とはいえ、製品の回収ができないと損害につながる場合もあるでしょう。

事前に契約書を作成するなどで防ぐことができますが、製品の回収において不安な場合は製品回収を請け負ってくれる会社も存在します。利用を検討してみるのもよいでしょう。

まとめ

ホームユーステストは正しく行うことで、信頼できる製品の開発、顧客獲得などが可能になる非常に有効な調査方法です。紹介した注意点に留意し、正しく活用しましょう。


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