市場調査とマーケティングリサーチの違いとは?メリットや種類、やり方を解説
2024年06月11日
市場の状況や顧客ニーズに合致した事業活動を行うには、マーケティング時に市場調査を行うことが大切です。より正確に情報収集できれば、施策の成功につながります。
市場調査は「マーケティングリサーチ」とも呼ばれていますが、厳密には異なる意味の言葉です。そこで、この記事では市場調査とマーケティングリサーチの違いやそれぞれのメリット・手法を解説します。
市場調査とは
市場調査とは、現在の市場の状況や消費者ニーズを把握するための調査です。
近年のマーケットにおいては、消費者ニーズは細分化しており、移り変わりも早くなっています。その影響で、かつての人気商品・サービスも、市場の変化についていけずに苦戦してしまうことも。
そのため、市場調査によって市場や消費者ニーズの動向を把握することは、現代のマーケティングにおいて欠かせないプロセスになっています。
市場調査の種類
市場調査の種類は、大きく「定量調査」と「定性調査」の2つに分けられます。
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定量調査
定型の質問票を設計し、数値や客観的な指標をもとにデータを収集する調査のことです。多くの対象者に回答してもらうことで、市場全体の傾向を調査できます。また集計・分析しやすいことも利点の一つです。
例えば、アンケート調査や郵送調査、ホームユーステストなどの手法が挙げられます。 -
定性調査
質問に対して自由に回答してもらった言葉を、データとして収集する調査のことです。インタビューなどの方法により、回答者のリアクションや行動なども含めた、数値だけでは汲み取れない意見や心理を調査できます。
例えば、グループインタビューやデプスインタビュー(面接法)、覆面調査などの手法が挙げられます。
マーケティングリサーチとは
マーケティングリサーチとは、市場調査や製品調査、広告調査を包括した広義の調査を表す言葉です。また、現在の市場だけでなく将来の市場への分析や予測を含んでいます。
マーケティングリサーチの種類
マーケティングリサーチのうち、製品調査や広告調査の種類には、以下のような調査があります。
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製品テスト
対象者に自社商品を使用してもらい、評価してもらう方法です。
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パッケージテスト
商品の容器やパッケージの使いやすさやデザインなどに関して、対象者に評価してもらう方法です。
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ネーミングテスト
複数の商品名候補を挙げて、対象者に評価してもらう方法です。
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テスト・マーケティング
商品・サービスの全国展開の前に、中規模都市で事前にテスト販売する方法です。宣伝方法や販促イベントなどに対する消費者の反応を確認し、効果を測定します。
市場調査とマーケティングリサーチの違い
「市場調査」と「マーケティングリサーチ」は、ほぼ同義語として扱われることも多い言葉です。
しかしマーケティングリサーチは、市場調査・製品調査・広告調査を包括した言葉です。また、「将来的」な可能性も含んだ市場の状況や消費者ニーズを調査します。
一方で市場調査は、「現在」の市場や消費者ニーズに注視して調査するマーケティングリサーチのうちの一つの調査手法です。そのため、両者は厳密には異なる意味を指しています。
市場調査・マーケティングリサーチを行う目的
市場調査を失敗しないためには、「なぜ市場調査が必要なのか」を明らかにすることが大切です。以下に、よく市場調査を行う目的をまとめましたので、市場調査を検討している企業は、参考にしてください。
- マーケティング施策に活用したいとき
- 新商品開発に活用したいとき
- ブランディング戦略に活用したいとき
- 海外進出などの新市場を開拓したいとき
こうした目的に対して、市場調査では以下のような情報を収集できます。
- 市場規模
- 消費者ニーズ
- 商品のシェア率
- 競合他社の数や割合
- 顧客満足度
- ブランドの認知率
「目的に活用するためには、どのようなデータが必要か」というところから調査内容を決めることが大切です。調査内容の作成方法については後ほど解説します。
市場調査・マーケティングリサーチを行うメリット
市場調査・マーケティングリサーチを行うメリットを解説します。
顧客ニーズに沿った事業活動につながる
商品・サービスを提供する際、顧客ニーズに沿って商品開発や販売チャネルの選定などの事業活動を行うことが大切です。市場調査により正確に顧客ニーズを把握することで、事業の発展につながるでしょう。
また変化が早い近年の市場では、長期にわたり事業活動を行う中で顧客ニーズから逸脱してしまうケースがあります。定期的な市場調査やマーケティングリサーチの実施により、顧客ニーズの動向を把握することが可能です。
ビジネスの意思決定の材料になる
事業を行う中で、「新店舗をオープンさせたい」「PR施策を打ち出したい」「海外進出したい」などさまざまな場面に直面することがあります。
その際に市場調査を行えば、客観的なエビデンスとなるため、ビジネスの意思決定の材料になります。関係者との打ち合わせの合意形成もスムーズに進むでしょう。
判断ミスの低減につながる
事業活動を行う際には、できる限りリスクを排除することが求められます。特に新しいマーケットに進出する際には、多くの人手や時間、費用を要するため、最適な判断を目指すことが必要です。
その場合にも事前に市場調査を行うことで、市場シェアや売上を確保できるのかどうかを合理的に判断しやすくなります。
市場調査・マーケティングリサーチの流れ
ここでは実際の市場調査・マーケティングリサーチの流れを解説します。
1.調査目的を明確にする
まずは、市場調査・マーケティングリサーチを行う目的を明確にしましょう。
目的が明確でないと、調査が終わったあとにどのように活用すべきかわからなくなってしまうことも。また、過剰に調査を依頼することで、費用が余分にかかってしまうこともあります。
そのためにも、「なぜ、調査が必要なのか」や「どのような調査結果が必要なのか」についてまずは確認しましょう。
2.調査内容を設計する
調査内容を設計するには、以下のプロセスを行うことが必要です。
- 予算や期限を設定する
- 調査結果の仮説を立案する
- デスクリサーチ(インターネットや資料などで調査する)を実施する
- 調査手法を決定する
- 調査対象や調査規模、質問内容を設定する
- 設計内容を確認する
この段階では、具体的に「誰に」「どのくらい」「どのような手法で」「何を」調査するのかを決定します。はじめて調査を行う場合には、適した調査内容の設計が難しいと感じるかもしれません。その場合には調査会社に相談してみることもおすすめです。
3.調査を実施し、結果を分析する
調査を実施したら、データを集計して分析します。
調査内容を設計する際に立てた仮説と比較検証し、次にどのようなアクションを取るのかを決めましょう。意思決定の材料として、自社の事業活動に役立ててください。
市場調査・マーケティングリサーチの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
関連記事:市場調査で現在の市場や消費者感覚を知ろう!代表的な手法やポイントも解説
まとめ
この記事では、市場調査とマーケティングリサーチの概要や手法、それぞれの違いについて解説しました。
事業活動に役立つような市場調査・マーケティングリサーチを実施するには、目的を明確にしたうえで取り組むことが大切です。また偏りがなく、良質な回答者に回答してもらうことも欠かせません。より正確なデータを手に入れるためには、調査会社の選定も大切です。
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