メイクの代わりに”根本ケア”と”マスク盛り”。マスク生活で変わったもの【自主調査】

2021年07月21日

色とりどりのマスク

マスク生活にもすっかり慣れ、多くの人の「美」への意識が変わっているようです。

顔の半分を覆い隠すマスクによって、メイクに時間をかける人は激減しました。 しかし、その代わりに関心が高まっているものがあります。

美容の意識はどのように変化しているのでしょうか?

マスク生活でフルメイクをする人は激減

2021年2月にinfoQが行った調査によると、新型コロナウィルス流行後の変化で

  • マスク生活になってから59.4%がメイクを行う頻度が減ったと回答
  • フルメイクは減り、目元を盛る傾向が強くなっている

ということがわかりました。

詳しい調査結果はこちら

◆新型コロナウィルス流行前と比べて、化粧をする頻度はどう変化しましたか?

化粧をする頻度‗グラフ

◆新型コロナウィルス感染拡大前と比べて、アイメイク、ベースメイク、リップメイクの濃さは変化しましたか?

メイクの濃さ‗グラフ

◆化粧をしない理由

  • オンライン授業になったため、外に出かけることが少なくなったから。(学生)
  • 収入が減り節約するようになった。(パート・アルバイト)
  • どうせマスクをするので、丁寧にやらなくなった。(会社員)
  • マスクが汚れるのでしない。(パート・アルバイト)

◆部分メイクを行う理由

  • マスクで隠れる部分はあまりしないようにして、見える目の部分だけハッキリするメイクをするようにしてます。(学生)
  • マスクがふれる部分はメイクをしません。眉だけ書いてます。(パート・アルバイト)

たしかに思い返せば私自身も、オンライン会議のときにはリップを付けますが、長時間の外出ほど何度も塗り直さないのでリップの減りが遅くなったと感じています。

ちなみに、矢野経済研究所の調査によれば、2020年の理美容市場は事業者売上高ベースで1兆9,700億円と前年比92.7%でした。

美容・理容市場売上

人との接触を避ける生活様式によって、人々の美容への関心は薄まってしまったのでしょうか?

どうやらそういう訳ではなく、美容への意識はメイクから別のものへシフトしているようです。

変化1.メイクから根本ケアへ

マスク生活でメイクにかける時間は減る傾向にあります。 その一方で、かえってスキンケアに力を入れる人も一定数居るようです。

◆あなたがスキンケアにかける時間と基礎化粧品の金額について、あてはまるものを選んで下さい。

スキンケアにかける時間と基礎化粧品の金額

※基礎化粧品とは、化粧水、乳液、洗顔料、クレンジング、美容液、クリームなど皮膚を整えるための化粧品を指します。

人と会う機会が減ったことで、スキンケアにかける時間も費用も減る人が多いかという予想に反し、減った人・増えた人はほぼ同じ割合と両極端に分かれていました。

◆スキンケアにかける時間が増えた理由

  • マスクで肌のかゆみや乾燥がひどくなってきたから(主婦)
  • マスクで肌荒れしたので高い化粧品を使っている(会社員)
  • マスクでニキビができやすくなったので、より丁寧に時間をかけるようにしています(会社員)

スキンケアに時間をかける理由で最も多かったのはマスクによる肌荒れでした。
ただし、以下のような理由も。

  • Youtubeを長く見るようになり、美容系Youtuberから影響を受けたから(学生)
  • マスクをつけるから極力メイクをしたくないので素肌をキレイにしたいと思いパックや保湿を頑張ってます。(主婦)
  • 今までは仕事が忙しくて疎かになっていたが、在宅になったので余裕ができた(会社員)

新型コロナウィルス流行以前からも、美容トレンドは「人にモテるための美容」から「自分のための美容」に移り変わってきていると言われていました。

人と会う機会が減りメイク頻度が減少した結果、スキンケアに限らず「根本的に自分の身体を改善したい」というトレンドに繋がったのかもしれません。

睡眠時間や運動強度を測定できるスマートウォッチや、気軽に買えるプロテインが人気を博していることを考えると、「コロナ太り」という一過性の現象を乗り越えて、持続可能でヘルシーな価値感が芽生え始めていると見ることもできますね。

変化2.マスクそのものや周辺アクセサリーを盛る傾向

マスクそのもののファッション化が進んでいます。

新型コロナウィルス流行初期は、不織布の供給不足もあり布マスク・ウレタンマスクがファッションに敏感な方々の主流アイテムとなっていました。

しかし、2020年12月に理化学研究所によりウレタンマスクの飛沫防止効果のシミュレーションが行われ、ウレタンマスクが不織布マスクに劣ると発表されると「オシャレな不織布マスク」への関心が一気に高まりました。

カラーマスク、ウレタンマスクの検索数

現在では、色や形にこだわった不織布マスクがInstagramやYoutubeで多く見られるようになっています。

KF94 マスク

くちばしのような形になっていて鼻が高く見えると評判のKF94マスク

血色マスク

顔全体を明るくをきれいに見せてくれると話題の血色マスク

私自身も、長らく「マスク=白」と思い込んでいましたが、カラーマスクを着けてみたら顔の印象がぱっと変わりおしゃれになったので驚きました。 今では何色かストックしておき、その日の気分や場所で使い分けています。

各色マスク

マスクそのものだけでなく、マスク周辺アクセサリーも盛況です。 マスクに付けるストラップ、チェーン、チャーム、シールなどバリエーション豊かな装飾が生み出されています。

マスク‗装飾

マスク‗チェーン

実際にマスクにチェーンを着けている同僚に聞くと
「ピアスだとひっかかるのでチェーンを着けてみました。お茶飲むのにマスクを付け外ししたときにも首にぶら下がるのでいいですよ。ネックレスやピアスとも違う雰囲気が出て楽しいです」
と話していました。

こういった”マスク盛り”の潮流はプライベートシーンに限らず、ビジネスの場にもどんどん広がってゆくでしょう。

たしかに、すでにフォーマルな場ではマスク=白というマナーが出来上がりつつあります。 ただし、白マスクでも形がきれいだったり、あるいは素材が肌なじみよく見せてくれたりするものがどんどん市民権を得ていくのではないでしょうか。 マスクチャームも、会社のロゴのようなものを作ることでかえって営業アイテムとして役立つこともあるかもしれませんね。

まとめ

マスク生活により、「美」のトレンドが移り変わっています。

美容への関心は全体的に落ち込んだというわけではなく、より根本的なケアやマスクをファッションアイテムとして楽しむことに変化しているようです。

自粛生活を窮屈に苦しむのではなく、自分らしく整え、楽しむ時間へと転換する試みにハッとさせられます。

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