サイコグラフィックとは | 特徴や取得方法、WEB広告への活用方法を解説
2022年03月18日
サイコグラフィックは性格や価値観、ライフスタイルに該当する属性の総称で、特にマーケティングで活用されます。
デモグラフィックなどの人口統計学的属性とは異なり、顧客の心理的な側面を浮き彫りにするサイコグラフィックはターゲットの深堀りに欠かせない属性のひとつです。
本記事ではサイコグラフィックの意味、マーケティングへの活用例を解説します。
サイコグラフィックとは?
- サイコグラフィックとは
- 性格や価値観、ライフスタイルなどの総称のことで、心理的変数と訳される。顧客が商品を「なぜ」買うのかにスポットを当てた定性的な指標。
サイコグラフィックはSTP分析におけるセグメンテーションの4軸の一つです。サイコグラフィックの具体的な要素としては以下が挙げられます。
- ライフスタイル:アウトドア派、インドア派
- パーソナリティ:外向性、調和性、神経症的傾向、経験への開放性、誠実性
- 趣味:読書、ジョギング、ネットサーフィン、ペットを飼う
- こだわり:経済性、質
- 志向:健康志向、ブランド志向、安定志向、上昇志向
他のセグメンテーションが、定量的に図れるデータを集めるのに対し、サイコグラフィックでは個人によって異なる、性格や価値観などの定性的な情報を収集します。
※セグメンテーション関連記事
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デモグラフィック、ジオグラフィックとの違い
デモグラフィックやジオグラフィックは、顧客を分類するためのひとつの指標です。例えばデモグラフィックでは年齢、性別、職業といった人物像を明確にするためのデータ、ジオグラフィックは居住地や最寄駅などの情報を示します。
サイコグラフィックとの違いは、サイコグラフィックがターゲットが「なぜ」商品を購入するのかという内面的な要素を示すのに対し、デモグラフィックやジオグラフィックでは「誰が」買うのかというターゲット像を想起させることです。
なお、現在ではニーズの多様化に伴い、デモグラフィックやジオグラフィックのような定量的に取得できる情報よりも、定性的なサイコグラフィックが重視される場合もあります。
例えば、相場よりも少し高いボタニカルシャンプーを販売する場合、経済性を重視する女性よりも、健康を重視する女性の方が商品が適していると考えられます。
とはいえ、比較的調べやすいデモグラフィックやジオグラフィックも決して無視できる情報ではありません。例えば以下のケースです。
同じ健康重視というサイコグラフィック要因であったとしても、デモグラフィックやジオグラフィックが異なる場合、必要とする商品が変わる可能性は十分にあります。
このため、デモグラフィックやジオグラフィック情報も考慮し、全てのセグメンテーションを組み合わせてターゲティングを実施するとよいでしょう。
サイコグラフィックデータの取得方法
ここからは、サイコグラフィックを取得するための方法を3つ紹介します。
- アンケート調査
- データ分析
- ヒアリング
アンケート調査
紙媒体やWebで行うアンケートで、サイコグラフィックを取得できます。
例えば、以下のようなアンケート調査をすることでサイコグラフィックを割り出すことができます。
<例>価値観の例
前回洋服を購入した際に重視したポイントは何でしたか
- 着心地
- 価格
- デザイン
- 店員のアドバイス
- ブランド
上記アンケートは選択形式ですが、自由回答形式でサイコグラフィックを幅広く把握するのも有用です。
データ分析
自社が今までに打ち出したキャンペーンのうち、反応率の良かったものを抽出することで、自社と相性がよい顧客のサイコグラフィックを特定できる可能性があります。
例えば、Twitterでのフォロー・リツイートキャンペーンやInstagramでのフォロー&コメントキャンペーンのユーザー反応率など違い、その他ユーザー行動データ、SNS特性の違いなどを分析することで、サイコグラフィックの把握や仮説構築につながります。
ヒアリング
実店舗での販売がメインの場合、顧客に直接ヒアリングを実施するのも有用です。例えば、週末は何をしていたのか、趣味は何かなどを聞き出すことで、顧客のサイコグラフィックが見えるケースがあります。
サイコグラフィックのマーケティング活用例
サイコグラフィックは多くの場合マーケティングに活用されます。取得したデモグラフィックデータは、具体的に以下のように利用可能です。
ペルソナの設定
企業視点のマーケティングから脱却し、顧客視点に立つためにはペルソナの設定が必要になりますが、サイコグラフィックがその役に立ちます。
ペルソナを設定する際は、ターゲットが抱える感情、課題などをデモグラフィック、サイコグラフィックから想像します。
インサイトの発掘
インサイトは、顧客の無意識の本音を発掘することです。マーケティングにおけるポジショニングの切り口にもなる視点です。サイコグラフィックとペルソナから顧客の心情を徹底的に考え抜くことで、顧客自身も理解していない深層心理を想像することができます。
例えば、40代の子持ちの女性をターゲットに宝石を売り出す場合、顧客は「子育てこそが私の使命」という価値観を持っているかもしれませんが、「子供が一人立ちしたらもう一度自由になる」というインサイトを持っている可能性があります。
インサイトを浮き彫りにすることで、ポジショニング軸(今回の場合はブランド提供価値)を他社とずらすことができるため、STP分析においてもサイコグラフィックは重要な指標となります。
WEB広告
WEB広告では、ターゲティング広告を出稿することができます。サイコグラフィックで設定するライフスタイル、パーソナリティ、趣味などの項目に沿うようにターゲットを設定することで、ダイレクトに顧客に働きかけることができます。
多くのプロジェクトにおいては、かけられる予算が決まっていることが多いため、投資効率を高める点でもサイコグラフィックは有用です。
まとめ
サイコグラフィックは多様化する顧客のニーズを把握し、適切にターゲティングを実施するためには欠かせない項目です。
サイコグラフィック以外のセグメンテーションと組み合わせることで、ターゲットの具体性を高めることができるため、ターゲットに合わせた商品やサービスの開発や他社との差別化に繋がります。
本記事が貴社のマーケティング戦略にお役立ちできれば幸いです。
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