海外リサーチを成功させるポイントは?目的や調査手法を解説

2024年08月27日

インターネットの普及により、以前よりも簡単に海外の商品・サービスを受けることが可能になりました。国外における事業展開を目指す企業が増えたことで、海外リサーチ(海外市場調査)を実施する企業も増えています。

しかし、はじめて海外リサーチを行う場合に、「海外リサーチをどのように行うのかわからない」「どのように調査会社を選ぶべきかわからない」などの不明点をもったまま調査を実施すると、効果的な調査にならない可能性があります。

そこで、この記事では海外リサーチの概要や目的・活用シーン、調査手法を解説します。

海外リサーチ(海外調査)とは

海外リサーチとは、ビジネスを展開する海外の国や地域に対して行うあらゆる市場調査のことです。海外調査や海外市場調査、グローバルリサーチとも呼ばれています。
市場規模や特性、消費者の嗜好、ライフスタイル・価値観などさまざまな点から調査を実施します。

海外進出におけるリスクを減少させ、事業を成功させる可能性を高めるうえで、海外リサーチは重視されています。海外の国や地域と日本とでは、文化や価値観、市場の状況などのさまざまな点が異なるため、日本と同様の事業展開では通用しないことがしばしばあるためです。

また海外進出する際には、国外に自社の拠点を設けたり、国外のパートナー企業と提携したりすることも必要です。海外リサーチを行うことで、新たな市場開拓をスムーズに実施できます。

海外リサーチの目的

海外リサーチの主な目的には、以下の3つが挙げられます。

  • 海外進出
    日本国内で提供している商品・サービスを海外展開していくとき
  • 訪日インバウンド
    日本国内で提供している商品・サービスを、訪日観光客向けに展開していくとき
  • 越境EC
    日本国内で展開しているECサイトから、外国人や海外在住者向けに商品を展開していくとき

また海外進出のおける海外リサーチの活用シーンの例を以下にまとめました。

  • 海外の消費者のニーズを把握し、新商品・サービスの開発に活用したい。
  • 既存商品を海外展開する際に、現地の消費者に対して強く訴求できる売り出し方を実施したい。
  • ターゲット層となる消費者のライフスタイルや価値観を把握し、マーケティング施策に活用したい。
  • 海外の大手企業や人気企業、競合他社について知り、販売戦略に活用したい。

さまざまな活用シーンがありますが、いずれにしても目的を明確にしたうえで、海外リサーチを実施することで、有意義な調査につながります。まずは「なぜ調査を実施するのか」を決めるために、自社の課題について検討しましょう。

海外リサーチの手法

アンケート

海外リサーチの手法は、大きく定量調査と定性調査、デスクリサーチに分けられます。

  • 定量調査
    簡単に回答できる定型の質問票による調査のことです。数値や客観的な指標をもとにデータ収集を行うことで、市場全体の傾向を調査できます。
  • 定性調査
    自由に回答できる質問票による調査のことです。対象者の言葉をデータとして収集することで、数値では汲み取れない対象者の心理や意見を調査できます。

これらの調査手法の特性を理解したうえで、調査方法を選びましょう。
ここでは、定量調査としてWebアンケート調査、定性調査としてインタビュー調査、フィールドリサーチについて解説します。

Webアンケート調査

Webアンケート調査とは、Web上でアンケートをターゲットに配信して調査する方法です。

インターネットを通じてアンケートを実施するため、多数のターゲットに対してスピーディーに情報収集できる代表的な調査方法の一つです。ただし、信頼できる消費者モニターを用意できないと、実情と異なるアンケート結果になる可能性がある点は留意しなければなりません。

インタビュー調査

インタビュー調査とは、事業進出予定の国や地域のターゲットにインタビューを行う調査方法です。現地を訪れて直接インタビューするだけでなく、最近ではオンラインで実施することも増えています。

アンケート調査では測りきれない価値観や意見、習慣などの情報を収集できます。ただし、調査数が限られるうえ、時間やコスト、労力がかかることがデメリットです。

フィールドリサーチ

フィールドリサーチとは、事業進出先の国や地域に訪れて、競合他社の店舗や消費者を調査する方法です。店頭調査や覆面調査とも呼ばれています。

リアルタイムで現地の状況や雰囲気、行動、文化を肌で感じられる一方、時間やコスト、労力がかかります。

デスクリサーチ

デスクリサーチとは、事業進出予定の国や地域でアクセスが多いWebサイトやSNS、報道資料などから情報を収集する方法です。パソコンやスマートフォンがあればすぐに調査できるため、海外進出を検討する際に行うことが多くあります。

ただし、インターネット上の資料であるため、その信憑性については確認が必要です。

関連記事:【市場調査】インターネット検索のみでできる?デスクリサーチの方法

海外リサーチを行う方法

意見を出しあっている画像

さまざまな調査手法がありますが、ここでは海外リサーチを行う方法として、自社で調査する方法と調査会社に依頼する方法を解説します。

自社で調査する

自社で調査する方法では、自社で海外リサーチに必要な人員を選定し、調査手法の選定や調査票の作成、消費者モニターの準備などを行います。

そのため、多くの手間や時間が必要となることが一般的です。はじめて海外リサーチを実施する場合、自社での調査はハードルが高い作業といえます。

調査会社に依頼する

調査会社に依頼する方法では、一般的に複数のパッケージから希望の調査内容を選定し、調査を委託します。海外リサーチへのノウハウがない場合には、調査会社に依頼することがおすすめです。

調査会社によって、得意な調査手法やパッケージ内容が異なるため、自社に適した調査会社を選定することが大切です。調査会社の選び方については、後ほど解説します。

自社での調査が難しい理由

なぜ海外リサーチでは、調査会社に依頼することが一般的なのでしょうか。ここでは、自社での調査が難しい理由を解説します。

言語の違い

まず言語の違いがあることは、海外リサーチの大きな障壁となります。
手軽にできるデスクリサーチにおいても、翻訳する必要があることから時間や手間がかかるうえ、翻訳では伝わりにくいニュアンスの違いを理解することは容易ではありません。

また事業進出先によっては、複数の言語での対応が求められる場合もあるため、自社での調査が難しいといえます。

文化や価値観の違い

国や地域により、文化や価値観、常識は異なります。また、現在の法規制や政治的な状況なども考慮して調査しなければなりません。
こうしたリアルタイムな情報を手に入れるには、デスクリサーチでは情報が古かったり、偏ったりしている可能性があります。

そのため社内に現地の状況に詳しい人材がいない場合には、有意義な調査を行うことは難しいのです。

労力や時間がかかる

どの調査手法を行う場合でも、言語や文化・価値観の違いがあるために、調査には非常に多くの労力や時間がかかることが予測されます。

インターネットや書籍の情報を翻訳するだけでなく、その情報のソースを確認することが必要です。また、アンケート調査の場合には、その国や地域の価値観や文化などを把握したうえで、現地の言語で調査票を作成しなければなりません。

また現地調査する場合には、現地のコーディネーターを雇用し、現地のロケーションを調査する必要があるため、海外リサーチの担当者に大きな負担がかかります。

こうした労力や時間がかかっても、海外リサーチの経験やノウハウがなければ、期待した成果が得られない可能性が高まります。

自社に適した調査会社の選び方

最後に、自社に適した海外調査会社の選び方を解説します。

対応可能な国や地域を確認する

調査会社によって、対応可能な国や地域は異なります。そのため、最初に自社の進出予定の国や地域に対応しているかどうかを確認しましょう。

特に、治安が悪い地域や戦争中の地域、法規制が厳しい地域などは対応不可となっている可能性があります。打ち合わせ時の環境だけでなく、将来的な変動も踏まえて相談することが必要です。

調査手法・項目を確認する

調査会社によって、対応可能な調査手法や得意な調査手法は異なります。
「定量調査と定性調査のどちらに注力したい」「消費者ニーズを調査したい」など、自社の希望を明確にしたうえで打ち合わせに臨みましょう。

費用・期間を確認する

調査会社に調査費用や調査期間についても事前に確認しましょう。
例えば、Webアンケート調査の費用相場は、1か国につき50万円~となっています。また調査手法を組み合わせたセット調査の場合には、1か国100万円~が相場です。

また調査期間については、進出予定の時期にも関わるため、余裕をもって設定することが大切です。一般的には1~2か月程度が、スケジュールの目安です。

まとめ

この記事では、海外リサーチ(海外調査)における手法と具体的な進め方を解説しました。

海外リサーチを実施することで、海外進出時のリスクを最小限に抑える施策を取ることが可能です。定量調査や定性調査、デスクリサーチから目的に適した調査方法を選定し、調査会社に依頼しましょう。

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