【2024最新】インバウンドビジネスとは?成功のポイントを解説
2024年10月01日
コロナ禍に激減した訪日外国人観光客数は、規制緩和とともに増加しています。日本政府観光局のデータによると、2023年にはコロナ禍以前の水準の外国人観光客が来日しました。
そして注目を集めているのが、インバウンドビジネスです。少子高齢化やビジネス市場が縮小傾向にある業界も、外国人の新たな顧客を獲得することで、売上向上につながる可能性があります。
そこで、この記事ではインバウンドビジネスの概要や代表的なサービス、成功のポイントを解説します。
インバウンドビジネスとは
そもそもインバウンドとは、外から中に入ってくるという意味から「海外からの訪日客」を指します。
そしてインバウンドビジネスとは、「海外からの訪日客をターゲットとしたビジネス」のことです。最近では旅行業や観光業以外にも、インフラ事業やIT事業といったインバウンドに関連するビジネスもインバウンドビジネスに含まれます。
インバウンドビジネスの必要性
インバウンドビジネスが必要である大きな理由に、「訪日外国人客数の増加」が挙げられます。日本政府観光局が公表している訪日外国人客数のデータによると、コロナ禍において激減した訪日外国人客数は2023年には過去水準に近い数字まで戻っています。
2019年 | 31,882,049人 |
---|---|
2020年 | 4,115,828人 |
2021年 | 245,862人 |
2022年 | 3,832,110人 |
2023年 | 25,066,350人 |
出典:日本政府観光局「年別 訪日外客数、出国日本人数の推移(1964年~2023年)」
さらに2024年8月の月次報告のデータで昨年と比較すると、1月~6月まですべての月で50%増の伸び率となっており、7月・8月についても30%以上の増加となっています。
2023年 | 2024年 | 伸率 | |
---|---|---|---|
1月 | 1,497,472 | 2,688,478 | 79.5% |
2月 | 1,475,455 | 2,788,224 | 89.0% |
3月 | 1,817,616 | 3,081,781 | 69.6% |
4月 | 1,949,236 | 3,043,003 | 56.1% |
5月 | 1,899,176 | 3,040,294 | 60.1% |
6月 | 2,073,441 | 3,140,642 | 51.5% |
7月 | 2,320,694 | 3,292,500※ | 41.9%※ |
8月 | 2,157,190 | 2,933,000※ | 36.0%※ |
※は推計値
出典:日本政府観光局「2024年8月推計値(2024年9月18日発表)(PDF)」
2024年も昨年の外国人観光客数を更新するペースで外国人観光客が来日する見込みです。
そのため、多くの企業がインバウンドビジネスを市場開拓や新規顧客の獲得といった新たなチャンスと捉え、事業を展開しているのです。
- 低コスト高品質のインバウンド調査なら
「GMO Ask for らくらくインバウンド調査」 -
調査モジュールとAIを活用した低コスト・スピーディな調査でインバウンド向けビジネスの成功をサポート
- 詳しくはこちら
代表的なインバウンドビジネス
ここでは、代表的なインバウンドビジネスを解説します。
ホテル・旅館業
ホテル・旅館業は、インバウンドビジネスにおいて不可欠なサービスです。最近では代表的な観光地の近くにあるホテル・旅館だけでなく、地方のホテル・旅館にも多くの外国人観光客が訪れるようになりました。
そのため、日本ならではの建築様式や浴衣、温泉などの伝統的な体験をサービスに取り入れてインバウンドビジネスに参入するホテル・旅館が増えています。
観光業
観光業のインバウンドビジネスでは、観光地における翻訳ガイド付きツアーやアクティビティツアー、温泉巡りツアーなどのサービスが挙げられます。
単体で開催されるツアーだけでなく、ホテル・旅館と提携し、お得に参加できるオプショナルツアーを開催するケースも多くあります。
飲食業
日本食は世界的に見ても人気の食文化です。日本料理の代表格である寿司や天ぷら、そば、日本酒、最近ではラーメンなども人気があります。
地元で採れた食材を活かしたメニューの用意や多言語対応、キャッシュレス決済などの準備を行うことで、インバウンドビジネスとして展開することが可能です。
体験ビジネス
日本ならではのさまざまな体験をビジネスとして取り入れる企業も増えています。具体的には、茶道や着物の着付け、農業体験、和紙づくり、陶芸などの体験ビジネスが人気です。
日本人である私たちにとっては当たり前のものであっても、外国人観光客にとっては貴重な体験になり得るものが多くあります。
【アンケート調査】訪日旅行におけるニーズ
代表的なインバウンドビジネスの種類を解説しましたが、日本を訪れる外国人観光客は、実際にはどのような期待をもっているのでしょうか。ここでは、訪日旅行を検討している外国人が期待しているニーズについてアンケート調査をもとに紹介します。
GMOリサーチ&AIでは、2022年に世界10か国に住む約3,000名に向けて、旅行における調査を実施しました。
そのうち、「あなたが今後日本へ旅行に行くとしたら、どんなことをしたいですか?」という質問について、以下の回答が上位を占めました。
- 「日本食を楽しむ」64.7%
- 「自然・景勝地の観光」58.3%
- 「四季を体感(桜、ビーチ、紅葉、雪など)」57.1%
- 「温泉入浴」48.2%
この調査から、外国人観光客は日本への旅行においてさまざまなニーズをもっていることがわかります。こうしたニーズを掴んでビジネス化することで、新たな顧客開拓につながります。
GMOリサーチ&AIの自社調査の詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:コロナ明けの海外旅行で人気の国は?~海外旅行に関する意識調査の結果より~
インバウンドビジネスを成功させるポイント
最後にインバウンドビジネスを成功させるポイントを解説します。
アンケート調査を実施して、正確なニーズを把握する
外国人観光客に自社ビジネスの魅力を伝えるには、まず正確なニーズを把握することが必要です。
先ほどの調査結果からわかるように、外国人観光客はさまざまなニーズをもっていますが、国や地域、年代、年収、家族構成、価値観、宗教などの要素によってニーズが異なる可能性があります。
そのためインバウンドビジネスを始める際には、まずターゲット層の正確なニーズを把握することが必要です。
またアンケート調査を行うことで、マーケティングに注力すべきポイントがわかります。適切な施策を実施することによって、コストを抑えながら認知度や売上の向上につながるでしょう。
インバウンドビジネスのニーズやターゲットの詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:インバウンド需要とは?現状・展望を正しく知り、収益へとつなげるポイント
訪日客の文化・価値観に沿ったサービスを展開する
日本に訪れる外国人観光客は、それぞれの国の文化・価値観をベースに日本旅行に訪れます。そのため、インバウンドビジネスを展開するには、訪日客の文化・価値観を把握したうえでサービスを展開することが大切です。
わかりやすい日本との違いとして、食事が挙げられます。例えば、イスラム教やヒンドゥー強を信仰している人が多い国を対象にビジネスを展開する場合には、食事における制限を把握したうえでサービスを展開することが求められるでしょう。また、ベジタリアンやヴィーガンなどへの対応が必要になるケースもあります。
多言語対応でサービスを提供する
海外旅行中、言葉が伝わらずに困った経験がある方も多いのではないでしょうか。インバウンドビジネスにおいても、外国人観光客へのサービスにおいて発生しやすい問題に、言語の壁があります。
言葉をすべて理解できなかったとしても、ジェスチャーを交えて寄り添った対応をすることで、外国人観光客に好印象を与えられます。そのためスタッフ教育やPOPの準備、写真付きのメニューなどを用意することも重要です。
また最近では多言語対応が可能なシステムやセルフレジなども増えているため、インバウンドビジネスに注力したい場合や観光地に近い店舗においては導入することもおすすめです。
まとめ
この記事では、インバウンドビジネスの概要や必要性、成功のポイントを解説しました。
訪日外国人観光客は増加傾向にあることから、今後ますますインバウンドビジネスにおける市場は拡大していく見込みです。そのため、多くの企業がインバウンドビジネスに参入しています。
インバウンドビジネスを成功させるには、事前準備としてニーズや文化・価値観を正確に把握するためのインバウンド調査を行うことがおすすめです。
GMOリサーチ&AIでは、訪日外国人向けの自社製品やサービス展開を検討している企業向けの調査サービス「GMO Ask for らくらくインバウンド調査」を提供しています。
「外国人観光客のニーズを知りたい」「低コストかつスピーディーに調査したい」「調査のやり方がわからない」といったお悩みにも、調査のプロが調査設計~レポートまでワンストップで対応します。
そのため、はじめてインバウンド調査を行うという企業の方もお気軽にご相談ください。
- サービス概要を無料配布中「GMOリサーチ&AIの海外調査サービス」
-
GMOリサーチ&AIは世界130カ国以上でオンラインでのアンケートやインタビューが可能です。
- 当社の海外調査サービスの特徴
- 調査対象国
- 料金事例
- 資料請求する