インバウンドマーケティングとは?価値のある情報で見込み客を惹きつける
2023年02月17日
企業が安定して成長するために重要なことの1つは、見込み客を確保し続けることです。しかし、見込み客を確保するための営業活動やマーケティング活動に負担を感じている方もいるのではないでしょうか。
インバウンドマーケティングの活用により、効率的かつ好印象なマーケティング活動を実践できる可能性があります。
インバウンドマーケティングは、WebサイトやSNS、セミナーなどで価値のある情報を発信することで、見込み客を惹きつけ、リード獲得や売上向上をめざすビジネスまたはマーケティングの考え方です。
この記事では、インバウンドマーケテイングの意味や施策例、メリット、実践する方法、事例まで詳しく解説します。
インバウンドマーケティングとは、見込み客を惹きつけ、リード獲得や売上向上をめざす考え方
インバウンドマーケティング
WebサイトやSNS、セミナーなどで価値のある情報を発信することで、見込み客を惹きつけ、リード獲得や売上向上をめざすビジネスまたはマーケティングの考え方
インバウンドは「内向きの」を意味する英語です。インバウンドマーケティングは、プル型(見込み客がみずから見つける)のビジネス・マーケティング手法と言えます。
なお、マーケティングの意味をおさらいしたい方は、「マーケティングとは?定義や戦略のコツ、活用できる分析手法を解説」をご覧ください。
これまでのマーケティングでは、ダイレクトメールなどのプッシュ型の手法で、企業の発信したいタイミングで消費者に情報を提供することが一般的でした。これは、いわゆるアウトバウンドマーケティングと呼ばれる手法です。
しかし、インバウンドマーケティングでは、企業側の発信したいタイミングではなく、見込み客が「知りたい」「調べたい」と思ったタイミングで価値のある情報を発信します。
消費者が情報に触れる機会が限定的で、自ら調べる手段も少なかった時代にはプッシュ型であるアウトバウンドマーケティングが一般的でした。しかし、インターネットやスマートフォンが普及した現代においては、消費者自らが情報を検索・取捨選択する機会が大幅に増加し、消費者に好まれる広告やマーケティングが変化しています。
実際に、Google年間検索数推計の推移データによると、1999年には10億回しかなかった検索数が、2016年には最低2兆回と2000倍にも上っていました。
Search Engine Land”Google now handles at least 2 trillion searches per year”を参考に筆者作成
また、マーケティング分野においても、情報収集がしやすくなったことによる影響が見られます。
電通の調査によると、取引先(候補)にコンタクトを取る段階で、すでに候補を1、2社まで絞り込んでいる中小企業が、4割近くであることが明らかになっています。特に、既に利用している商品やサービスから別のものへ乗り換える際に発生するスイッチングコストの高い商材ほど、その傾向が強いこともうかがえます。
電通報「B2B商材、商談前に取引先はほぼ絞り込まれている!? 購買関与者4500人調査の考察」より引用
※SWコスト:「スイッチングコスト」の略。
このことから、商談が始まる段階では、購買にかかる意思決定はおおよそ済んでいて、勝敗は決していると考察できます。これも、商談前の意思決定に必要な情報収集が、今では行いやすくなったことの影響と考えられます。
このような変化にともない、企業が消費者にとって価値のある情報発信を行い、認知を得ることの重要性が高まっています。有益な情報を通じて企業を認知、好印象を持ってもらい、顧客と長い関係を築くことで、売上向上や組織成長を目指しているのです。
インバウンドマーケティングの流れと施策例
では、実際にインバウンドマーケティングの流れと施策の例を見てみましょう。上の図に示すそれぞれの段階について、以下に解説します。
- 課題認識では、見込み客は自身の課題やそれを解決する商品を明確に意識していないと考えられます。そこで、ブログやSNSなどで課題と解決策を提示し、顕在化させます。
- 情報収集では、見込み客は興味を持った情報をより詳しく収集しようとしていると考えられます。そこで、ウェビナーやホワイトペーパーにより、より詳しい情報を提供します。
- 比較検討では、見込み客は課題を十分認識し、解決のための手段を模索しています。同業他社の商品と自社商品とを比較したり、実際に自社商品を導入した事例の紹介を行ったりすることも良いでしょう。
- 意思決定は、見込み客が最終的に商品の購入を決定し、自社にとっての顧客となる段階です。購買意欲が高まっている見込み客に最後のひと推しができるかがポイントです。
- 体験は、顧客が商品を実際に使用し、満足を得る段階です。実際の使い心地やサポート体制が良いと顧客が感じれば、リピーターとなったり良い口コミを広めてくれたりする可能性も高まります。
このように、インバウンドマーケティングでは認知から購入後の体験まで、一連の体験を含めて顧客の状態に合わせて適切な施策を行い、良質な顧客体験を提供することを狙っています。
コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングの一部
インバウンドマーケティングと混同されやすい言葉に「コンテンツマーケティング」があります。厳密に言えば、インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングは同じものではなく、よりインバウンドマーケティングの方が広い概念です。
コンテンツマーケティングは、その名の通りさまざまなコンテンツを起点として、見込み客と関係性を築く考え方です。例えば、以下の手法がよく使われます。
- ブログ
- SNS
- 動画
一方インバウンドマーケティングは、コンテンツに限らず、電話やアンケート、キャンペーンなども活用しながら見込み客と良好な関係性を築こうとする考え方です。コンテンツは有力なインバウンドマーケティングの手法ですが、コンテンツだけに囚われずに顧客との良質な関係性を築くことを最終的には目指すべきでしょう。
インバウンドマーケティングの3つのメリット
インバウンドマーケティングには、アウトバウンドマーケティングにはないメリットが存在しています。以下に3つ、インバウンドマーケティングのメリットを解説します。
1.営業活動を効率化し、しかも好印象を与えやすい
インバウンドマーケティングは、見込み客にとって価値のある情報を通じて、見込み客から企業を発見、認知してもらうという特徴があります。そのため、売り込みの手間やコストが省け、軌道に乗れば低コストで営業成果を得られやすいでしょう。
そのため、特に営業の人手不足に悩んでいる企業であれば、営業がより本質的な仕事に注力しやすくなります。
さらに、強引に顧客にアピールしている印象を与えにくく、顧客に好印象を与えやすいことがメリットです。自社のコンテンツにアクセスしている時点で、多かれ少なかれすでに自社との接点ができているため、全く接点がない状態よりも関係性構築が容易であるからです。
2.コンテンツを持続的な資産として活用できる
インバウンドマーケティングでブログやSNSなどを通じて有益なコンテンツを作成することで、半永久的に使える資産として活用できます。
出稿に広告費が必要なCMや広告と比べて、自社のWebサイトやSNSを活用したコンテンツには公開するための費用がほとんどかかりません。もちろん、見込み客に見てもらうための工夫は必要になりますが、有益なコンテンツとして認められれば、広告以上の成果を持続的に生むこともあります。
ただし、法律の改定や社会情勢の変化などによりコンテンツの内容が古くなることもあります。定期的なコンテンツの見直しも必要であることには、留意する必要があります。
3.ユーザーデータ活用の促進
アウトバウンドマーケティングに用いられるテレビCMや新聞広告などと比較すると、インバウンドマーケティングに用いられるブログやSNSなどではユーザーデータの入手が容易です。
具体的には、ブログやSNSでは見込み客の性別や検索履歴などを分析することで、詳細に顧客の趣向や行動を推測できます。取得できたデータを活用することで、マーケティングの効果検証や顧客ニーズ把握などが可能になるのです。
近年ではCookieの規制など、一部のユーザーデータの取得が厳しくなりつつあります。情報の取り扱いについてユーザーの理解が得られるよう用途や利便性の説明を十分に行うことで、安心感を持ってもらうことも必要でしょう。
インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングとの使い分け
インバウンドマーケティングの登場以後も、アウトバウンドマーケティングが廃れたわけではありません。インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングのそれぞれのメリットを踏まえて使い分けることが重要です。
アウトバウンドマーケティングは、テレビCMやDMなどで、見込み客に企業側から働きかけるプッシュ型の手法です。代表的な手法は、以下のとおりです。
- 新聞やテレビ広告などのマス広告
- 一部Web広告
- ダイレクトメール(DM)
- 展示会
- テレアポ
アウトバウンドマーケティングでは、消費者の気持ちや態度にかかわらず同一のメッセージを送付するため、「嫌われるマーケティング」として迷惑に感じられるリスクもあります。その一方で、見込み客に積極的に企業側から働きかけるため、インバウンドマーケティングに比べて効果が早く出やすいメリットも存在します。
そのため、早くマーケティングの成果を出すことを重視したい場合は、アウトバウンドマーケティングがおすすめです。反対に、多少時間がかかっても、将来マーケティングに必要な労力を減らしたいのであれば、インバウンドマーケティングの活用が良いでしょう。
▼関連記事
アウトバウンドマーケティングとは?手法・使い分け・メリットを解説
インバウンドマーケティングを推進する5つのステップ
実際にインバウンドマーケティングを取り入れたいと考えている企業に向けて、推進するための5つのステップを解説します。
STEP1.目標・目的の設定
最初に、インバウンドマーケティングを推進するにあたって、目標・目的を設定しましょう。目標・目的が明確であれば、施策がブレません。
インバウンドマーケティングでは、リードの獲得や自社ブランドの強化などが目的になりますが、その中でも何を目的にするのか、明確にしましょう。
◆目的の例
- 今まで取れていなかった、2、30代の若い見込み客のリードを獲得する
- 売り上げが伸びていない西日本地区において、自社ブランドを強化する
- 自社が提供したい付加価値があまり伝わっていないので、もっと多くの企業にPRしたい
また、「3カ月以内に見込み客を1.5倍にする」など、具体的に目標設定することも忘れずに行いましょう。
STEP2.ペルソナの設定
目標・目的を設定できたら、次にインバウンドマーケティングで取り込みたい顧客のペルソナ設定を行いましょう。
これまでに取引実績のある顧客を分析し、どんな企業のどんな人物が顧客になっているか洗い出すことで、自ずとペルソナ設定ができてくるはずです。
ペルソナ設定ができれば、サービスを必要とするユーザーのイメージが明確になるため、コンテンツのメディアや内容も見えてきます。
なお、BtoCの場合は認知から購買までのプロセスが個人で完結しますが、BtoBでは認知から購買までのプロセスで、複数の人物が関わることがほとんどです。
よって、BtoBでは、会社のペルソナと、購買までの各プロセスにおけるキーパーソンのペルソナも作っておくとよいでしょう。
STEP3.ペルソナの購買フェーズに合わせてコンテンツ等を用意する
次に、見込み客のペルソナが認知から購買に至るまでの購買フェーズを構築し、それぞれのフェーズにおいて必要な情報に合わせたコンテンツや施策を用意しましょう。
◆購買フェーズと、コンテンツ・施策の例
購買フェーズ | コンテンツ・施策の例 |
---|---|
会社自体を知らない |
|
製品を選ぶ |
|
購入するか迷っている |
|
STEP4.情報発信
各種メディアを活用して、情報発信を行いましょう。
このステップにおいても、情報の内容やターゲット、商品によって、向いているメディアを選ぶと良いでしょう。
◆各購買フェーズとメディアの例
購買フェーズ | メディアの例 |
---|---|
認知 | ブログ |
興味 | LP、ウェビナー、ホワイトペーパー |
比較 | メールマガジン、製品サイト、事例紹介 |
購入 | 紹介キャンペーン、お客様の声 |
STEP5.継続的な改善
1〜4のステップについて、見込み客の反応や成約率を元に継続的な改善に取り組みましょう。インバウンドマーケティングは顧客起点であるため、特に見込み客の反応がより重要なポイントです。
見込み客の反応を分析し、ターゲットとしている見込み客を取り込めていない場合は、どこがボトルネックになっているか明らかにします。改善の参考に、競合相手のコンテンツを研究することも役立つでしょう。
マーケティング施策の改善には、ユーザーに向けてアンケートを行うことが手軽で有効です。
GMO Askでは、日本最大級となる2,500万人以上のモニターに向けてアンケートを実施可能です。豊富なユーザーセグメントから必要な情報を手軽に得られます。
料金形態は「1問1回答10円」とシンプルかつ業界最安です。ぜひ自社の施策改善にご活用ください。
インバウンドマーケティングを成功させたC社の事例
最後に、インバウンドマーケティングを成功させた、オフィス用家具メーカーC社の事例を紹介します。インバウンドマーケティングを実際に導入したいと考えている方は、参考にしてみてください。
C社は、単にオフィス用品を販売することに留まらず、オフィス空間づくりを付加価値として提供してきました。ただ、そのことがオンラインの施策では十分にアピールできていなかったのです。
実際、指名キーワードでは一定のアクセスを得られていたものの、一般的なキーワードから十分な見込み客を獲得できていないと感じていました。
また、案件獲得方法をオフラインによる方法に依存していることにも課題を感じていました。
そこで、新たな顧客との接点として、オンラインでのインバウンドマーケティングを強化し、オンラインからも見込み客を確保できるよう取り組みを開始したのです。
具体的には、毎月5本のブログコンテンツ作成やMA、インサイドセールスチームの強化などにより、インバウンドマーケティングの仕組みを整備していきました。
その結果、以下のとおりインバウンドマーケティングで成果を出せるようになったのです。
- 一般キーワードからの自社サイトへの流入が、約半数
- プロジェクト開始1年半足らずで、PV数が163%アップ
- プロジェクト開始5年程度で、PV数3倍弱、リード獲得数月100件以上、月商談数5倍以上
- 自社サイトよりeBookをダウンロードした見込み客に対して、テレアポを行うことで、テレアポの成功率向上
まとめ|インバウンドマーケティングは価値ある情報を発信して見込み客を惹きつける手法
インバウンドマーケティングとは、WebサイトやSNSなどで価値ある情報を発信して見込み客を惹きつけ、リード獲得や売上向上をめざす手法です。
強引に顧客にアピールしている印象を与えにくいことや、有益なコンテンツを積み上げていけば、半永久的に使える資産として活用できることなどがメリットです。
インバウンドマーケティングを行う際には、目標・目的やペルソナの設定を正しく行い、コンテンツ作成や情報発信をしていきましょう。継続的な改善を行っていけば、徐々に成果が出てくるはずです。
- サービス概要を無料配布中「3分で読めるGMOリサーチ&AIのサービス」
-
GMOリサーチ&AIはお客様のマーケティング活動を支援しており、さまざまなサービスを提供しております。
- スピーディーにアンケートデータを収集するには
- お客様ご自身で好きな時にアンケートを実施する方法
- どこの誰にどれくらいリーチができるか
ぜひこの機会にお求めください。 - 資料請求する