加重平均は平均値の一種|算術平均との違いもわかりやすく解説
2023年12月15日
平均値を求めたい時、多くの方が「すべてのデータを足してから、データ数で割る」方法を想像するのではないでしょうか。これは「算術平均」と呼ばれ、平均値を求める代表的な計算方法です。
平均値を求める方法は他にもあり、計算後の活用目的によって使い分けられています。なかでも「加重平均」は、数値の重要度や影響度など、値の重みを加味したい場合に適した手法です。
この記事では、加重平均の意味や具体例、エクセルを活用した計算方法について解説します。
加重平均とはウェイトが付けられた平均値
加重平均は、値の重み(ウエイト)を加味した平均の算出方法です。数量が混在している場合や、データによって異なる重要度を持つ場合に適した計算方法です。
加重平均と算術平均の違い
算術平均とは、単純に全てのデータを足して、データ数で割る計算方法です。一般的に「平均を求める」と言うと、この計算方法を指す場合がほとんどです。例えば、クラスの平均身長や平均点を求めたい場合に活用されます。
▼算術平均の例
【例題】
150円のみかん、200円のりんご、550円のぶどうを買った。平均するといくら?
【答え】
(150 + 200 + 550) ÷ 3 = 300(円)
しかし、算術平均が役に立たないシーンもあります。具体的には後述しますが、例えば単価の異なる商品の販売実績から平均単価を求める場合や、異なる人数で構成されるクラスの平均身長から学年全体の平均身長を求めたい場合など、データによって重要度が異なると、算術平均ではデータ全体の特徴を正しく表現できないため注意が必要です。
算術平均については、「【図解】平均値・中央値・最頻値の意味と使い分け」で詳しく解説しています。
加重平均の具体例
ここでは、値の重みを考慮した加重平均の計算方法について、1日に販売したケーキの平均単価を例に考えてみます。
商品 | 価格 | 個数 |
---|---|---|
ショートケーキ | 480円 | 2個 |
モンブラン | 550円 | 3個 |
フルーツタルト | 520円 | 5個 |
【加重平均の計算】
- 平均値を求めたい数値と、対応する重みを掛けた上で全て足す
- 合計値を、全ての重みの和で割る
まず、販売したケーキの個数を求めます。
(販売したケーキの総数) = 2個 + 3個 + 5個 = 10個
最後に、各ケーキそれぞれの販売個数を重みとして計算します。
(480円 × 2個)+(550円 × 3個)+(520円 × 5個)= 5,210円
つまり、販売したケーキの平均単価は以下になります。
(販売したケーキの平均単価) = 5,210円 ÷ 10個 = 521円
アンケートで加重平均を用いる事例
加重平均の求め方は、アンケートの集計にも応用できます。化粧品Aの満足度調査結果を例に、考えてみます。
加重平均を用いる際は、まずは段階ごとに重みを決める必要があります。今回は回答の選択肢が5つなので、5点満点で重みを振りました。
回答 | 回答実数 | 重み |
---|---|---|
満足している | 10 | 5点 |
まあ満足している | 30 | 4点 |
どちらでもない | 30 | 3点 |
あまり満足していない | 20 | 2点 |
不満 | 10 | 1点 |
① 回答実数の総数を確認します。今回は100サンプルが集まりました。
10 + 30 + 30 + 20 + 10 = 100サンプル
② 回答ごとに実数と重みを掛け合わせ、すべて足します。
(10 × 5点)+(30 × 4点)+(30 × 3点)+(20 × 2点)+(10 × 1点)=310点
③ ②の合計をサンプルサイズで割ることで、顧客満足度スコアを求めることができます。
(顧客満足度スコア) = 310点 ÷ 100サンプル = 3.1点
加重平均をエクセルで計算する方法
加重平均は、エクセルを活用して求めることができます。
最後に、スポーツイベントでのチケット価格と販売数から、平均単価を求める場合を想定し、エクセルでの加重平均の計算方法を具体的に解説します。
席種 | 値段(円) | 販売数(枚) |
---|---|---|
指定席A | 4,200 | 4,000 |
指定席B | 3,700 | 5,000 |
指定席C | 1,400 | 7,000 |
指定席D | 700 | 9,000 |
1.SUMPRODUCT関数で掛け算の和を求める
まず、4種類のチケットの「値段」と「販売数」を掛け合わせ、全ての合計値をSUMPRODUCT関数で計算します。
【SUMPRODUCT関数】
=SUMPRODUCT(値段(円)の列,販売数(枚)の列)
2.「販売数(枚)」の合計で割る
ステップ1のSUMPRODUCT関数で算出した値を、「販売数(枚)」の合計で割ります。
【販売数(枚)の合計で割る】
=SUMPRODUCT関数の計算結果のセル/(指定席Aの販売数+指定席Bの販売数+指定席Cの販売数+指定席Dの販売数)
計算の結果、平均単価は「2,056円」と分かりました。
まとめ|加重平均でデータ全体の傾向をより正確に把握
加重平均は、値の重み(ウエイト)を加味した、平均値の求め方です。単純に全てのデータを足してデータ数で割った「算術平均」とは違い、データの重要度や重みが違っても、正しく平均値を求められるのが特徴です。
加重平均を求める際は、エクセルのSUMPRODUCT関数を使うことで簡単に求めることができます。データの重みを考慮して平均を求めたい際は、活用を検討してみてください。
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よくある質問
Q1.加重平均と算術平均の違いは? |
---|
算術平均は、データの合計をデータ数で割ることで求めますが、加重平均は、データの重みも考慮して平均値を求めます。そのため、使用場面や計算方法がそれぞれ異なります。 詳しくは、「加重平均と算術平均の違い」の節をご覧ください。 |
Q2.加重平均をエクセルで計算する方法は? |
加重平均をエクセルで求めるのはたったの2ステップです。 まずSUMPRODUCT関数で掛け算の和を求めます。そのあと、重みとなる値の合計で割ってください。 詳しくは、「加重平均をエクセルで計算する方法」の節をご覧ください。 |
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