定量調査とは?今さら聞けない基礎知識から実践的な活用法まで

2025年06月25日

定量調査とは?今さら聞けない基礎知識から実践的な活用法まで

マーケティング活動において、的確な意思決定を行うためには、客観的なデータに基づいた分析が欠かせません。その中核を担うのが定量調査です。本記事では、定量調査の基礎から実践的な活用法まで、初心者にもわかりやすく解説します。経験豊富なマーケターの方も、改めて基礎を確認する機会としてご活用ください。

定量調査の基礎知識

市場調査やマーケティングリサーチにおいて、定量調査は重要な役割を果たしています。多くの企業が定量調査を実施し、その結果をマーケティング戦略や商品開発に活用しています。ここでは、定量調査の基本的な概念から、なぜ今この手法が注目されているのか、そして他の調査手法との違いについて詳しく見ていきましょう。

定量調査とは

定量調査は、アンケートなどを通じて得られた回答を数値化し、統計的に分析する調査手法です。例えば、「商品の認知度が75%」「満足度が4点満点中3.2点」といった具体的な数値データを得ることができます。

特に、多数の回答者から得られたデータを統計的に処理することで、市場全体の傾向を把握することが可能です。

定量調査が必要とされる背景

近年、ビジネス環境の急速な変化により、より正確な市場把握と迅速な意思決定が求められています。主観的な判断だけでは、的確な経営判断を行うことが難しくなっているのです。

定量調査を通じて得られる客観的なデータは、意思決定の根拠として重要な役割を果たしています。特に、新商品開発やマーケティング施策の効果測定において、その重要性は増しています。

定性調査との違いと使い分け

定量調査と定性調査は、それぞれ異なる特徴と目的を持っています。定量調査が数値データを扱うのに対し、定性調査はインタビューや観察を通じて得られる質的なデータを分析します。

定量調査は「どれくらい」「何人が」といった量的な把握に適しており、定性調査は「なぜ」「どのように」といった深い理解を得るのに適しています。

実際のマーケティング活動では、これら2つの手法を組み合わせることで、より効果的な調査が可能になります。例えば、定性調査で得られた仮説を、定量調査で検証するといった使い方が一般的です。
 

定量調査の種類と特徴

定量調査には、目的や状況に応じて選択できる様々な手法があります。それぞれに特徴があり、調査の目的や予算、時間的制約などを考慮して最適な手法を選択することが重要です。ここでは、代表的な調査手法について、その特徴とメリット・デメリットを解説します。

ネットリサーチ

インターネットを通じてアンケートを実施する手法です。スマートフォンやパソコンから回答できるため、幅広い年齢層からの回答収集が可能です。

短期間で大量のデータを収集でき、コストも比較的抑えられることから、近年最も活用されている調査方法です。ただし、インターネットユーザーに限定されるため、高齢者層などでは回答者に偏りが生じる可能性があります。

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会場調査(CLT)

特定の会場に調査対象者を集めて実施する手法です。商品の実物を見たり、試食・試用したりしながら評価を行うことができます。

商品のパッケージデザインや味覚テスト、使用感の評価などに適しており、その場で詳細な回答を得られる利点があります。一方で、会場の確保や参加者の募集にコストと時間がかかります。

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ホームユーステスト(HUT)

製品を対象者の自宅に送付し、実際の使用環境での評価を得る手法です。日用品や化粧品など、継続的な使用による効果や使い勝手を確認したい場合に適しています。

実際の使用環境での評価が得られる反面、製品の配送や回収に時間とコストがかかり、サンプルサイズも限定されます。

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郵送調査

質問票を郵送で配布し、回答を返送してもらう従来型の調査方法です。インターネットを利用しない層にもアプローチでき、自治体調査などでよく使用されます。

回答者のペースで じっくりと回答できる利点がありますが、回収率が低くなりがちで、回答の回収までに時間がかかります。

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電話調査

電話で質問し、回答を得る手法です。比較的短時間で結果が得られ、高齢者層へのアプローチにも適しています。

即時性が高く、回答率も比較的良好ですが、長時間の調査は難しく、複雑な質問や視覚的な要素を含む調査には不向きです。

訪問留置調査

調査員が対象者宅を訪問し、調査票を手渡して後日回収する方式です。対象者との直接的なコミュニケーションにより、高い回収率が期待できます。

丁寧な説明が可能で回収率も高くなりますが、調査員の人件費や訪問にかかる時間など、コストと労力がかかります。

定量調査の基本設計

定量調査の基本設計

定量調査の成否は、調査設計の段階で大きく左右されます。明確な目的設定、適切な調査対象の選定、効果的な質問設計など、基本的な要素を押さえることで、意味のある調査結果を得ることができます。ここでは、調査設計の基本的な考え方とポイントを解説します。

目的設定と仮説の立て方

調査の目的は具体的かつ明確に設定する必要があります。「市場動向を把握したい」といった漠然とした目的では、有効な調査設計は困難です。

例えば、「20代女性における商品Aの認知度を測定し、競合商品との比較データを得る」というように、具体的な目標を定めます。これにより、必要な質問項目や分析方法が明確になります。

仮説は、既存データや定性調査の結果などを基に設定します。「新商品の認知度が低いために売上が伸び悩んでいる」といった具体的な仮説を立てることで、検証すべきポイントが明確になります。

調査対象とサンプルサイズ

調査対象は、目的に応じて適切に設定します。性別、年齢、居住地域などの基本属性に加え、商品の利用頻度や購買行動なども考慮に入れます。

必要なサンプルサイズは、求める精度や予算によって異なります。一般的な市場調査では、統計的な信頼性を確保するため、最低でも300~500サンプルが必要とされます。

ただし、細かいセグメント分析を行う場合は、各セグメントで十分なサンプルサイズ を確保できるよう、全体のサンプルサイズ を大きく設定する必要があります。

質問設計の基本的な考え方

質問は回答者が迷わず答えられるよう、シンプルで明確な表現を心がけます。専門用語や複雑な言い回しは避け、必要に応じて具体例を示すことも有効です。

質問の順序も重要です。基本的な質問から具体的な質問へ、一般的な内容から個別の内容へと進むよう設計します。また、一つの質問で複数の内容を聞かないよう注意が必要です。

選択肢は、想定される回答を漏れなくカバーし、かつ重複がないよう設定します。「その他」や「わからない」といった選択肢の要否も、質問の内容に応じて検討します。

定量調査の効果的な活用術

定量調査は、マーケティング活動のさまざまな場面で活用できます。特に、新製品開発、顧客満足度の把握、ブランド戦略の立案において、重要な役割を果たします。ここでは、具体的な活用方法と成功のポイントを解説します。

新製品開発

新製品開発のプロセスにおいて、定量調査は市場ニーズの把握から製品評価まで、幅広く活用できます。開発初期段階では、潜在的な市場規模や競合状況の把握に役立ちます。

試作品段階では、製品コンセプトや価格受容性、デザインの評価など、具体的な開発方針の決定に必要なデータを収集します。特に、価格設定や販売予測において、定量的なデータは重要な判断材料となります。

顧客満足度調査

顧客満足度調査では、サービスや製品に対する評価を数値化し、改善点を明確にします。全体的な満足度だけでなく、個別の要素(品質、価格、サービス対応など)についても詳細な評価を得ることができます。

定期的な調査実施により、満足度の推移を把握し、改善施策の効果を測定することも可能です。さらに、不満要因の特定や改善優先順位の決定にも役立ちます。

ブランド戦略

ブランド戦略の立案では、ブランドの認知度や好感度、購入意向などを定量的に測定します。競合ブランドとの比較分析により、自社ブランドの強みや弱みを客観的に把握できます。

ターゲット層ごとのブランドイメージの違いや、広告施策の効果測定なども、定量調査を通じて明確にすることができます。これらの結果は、効果的なブランド戦略の立案に不可欠な情報となります。

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成功のための実施ポイント

成功のための実施ポイント

定量調査を成功させるためには、計画から実施、分析まで、各段階で重要なポイントを押さえる必要があります。ここでは、調査の質を高め、有効な結果を得るための具体的なポイントを解説します。

調査設計時のチェックリスト

調査の企画段階で以下の項目を確認することで、効果的な調査設計が可能になります。

▼目的の明確化

  • 調査の最終的なゴールは何か
  • どのような意思決定に使用するのか
  • いつまでに結果が必要か

▼対象者の設定

  • 性別・年齢などの基本属性
  • 製品やサービスの利用状況
  • 地域的な広がり

▼質問項目の精査

  • 調査目的との整合性
  • 質問の順序や流れ
  • 回答のしやすさ

データ集計・分析の基本

収集したデータは、目的に応じて適切な方法で集計・分析します。まず全体の傾向を把握し、その後詳細な分析に進むのが基本です。

単純集計では、各質問の回答分布を確認します。属性別の分析では、性別や年齢層による違いを明らかにします。

分析の際は、統計的な有意差の確認も重要です。特に重要な発見については、必ず統計的な裏付けを取ることが望ましいです。

結果の見方と活用方法

調査結果は、単なる数字の羅列ではなく、実際のビジネスに活用できる洞察として整理する必要があります。

重要な発見は、具体的なアクションにつながる形で提示します。例えば、「20代女性の認知度が低い」という結果に対して、「若年層向けのSNS施策の強化」といった具体的な施策を提案できます。

また、結果の解釈には、市場環境や競合状況なども考慮に入れます。数値だけでなく、ビジネス全体の文脈の中で結果を理解することが重要です。

定量調査を成功に導くために

定量調査の成功には、適切な手法の選択と正確な実施が不可欠です。調査の基礎知識と実践的なポイントを押さえることで、より効果的な調査が可能になります。

定量調査の成功には、適切な手法の選択と正確な実施が不可欠です。GMOリサーチ&AIは、業界最大級のパネルネットワークを活用し、国内外で質の高い定量調査を提供しています。特に、ネットリサーチから海外調査、業界特化型のリサーチまで、多様な調査ニーズに対応が可能です。

しかし、どんなに優れたツールを使用しても、調査の目的を明確にし、適切な手法を選択することが基本です。市場環境の変化が激しい今日、定量調査を効果的に活用し、データに基づいた意思決定を行うことが、ビジネスの成功につながります。

ぜひ、本記事の内容を参考に、より良い調査実施にお役立てください。

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