認知度調査とは|実施すべきタイミングや取り入れたい質問項目を紹介
2023年08月04日
ビジネスで成果を出すためには、自社商品が市場に認知されることが欠かせません。市場での認知がなければ、商品の購入やリピーター獲得に向けた施策を打っても思うような効果が得られない場合があるからです。
市場で自社商品がどれほど認知されているか確認する手法の一つが、認知度調査です。認知度調査の結果に応じて施策を実施すれば、よりビジネスで成果を出せる可能性が高まるでしょう。
この記事では、認知度調査の意味や必要な理由、成功させるポイントを解説します。より精度よく認知度調査を実施し、自社施策に活用するためにもぜひ参考にしてください。
認知度調査とは商品やサービスなどの認知度をはかるためのマーケティングリサーチ
認知度調査とは、自社の商品・ブランドが世間でどれ程知られているか、浸透しているか市場で調査を行うマーケティングリサーチの一種です。
市場内での立ち位置は、マーケティング戦略を立てるうえで、重要な前提情報になります。認知度調査を通じて商品・サービスの立ち位置を顧客視点で明らかにし、今後の施策立案・改善に活用することができます。
イメージ調査と混同されることもありますが、認知度調査は商品・サービスを「知っているか」を主眼に置いています。対するイメージ調査は、「既知のブランドにどのようなイメージを有しているか」を調べるものです。
それでは、以下に認知度調査を行うタイミングの例を、3つ紹介します。
なお、マーケティングリサーチについては、「マーケティングリサーチの定義から手法、流れを事例と併せて解説」を参考にしてみてください。
認知度調査の実施|1.新商品販売・リニューアル時
認知度調査は、新商品発売や商品をリニューアルしたタイミングでの実施が効果的です。市場への浸透・認知度合いなどを確認することで、マーケティング上の課題が発見しやすくなるからです。
新商品販売やリニューアルを行っても、そもそもの販売やリニューアルの実施が認知されていないこともあります。調査で認知度が低いとわかった場合は、現在の訴求方法を見直したほうがよいかもしれません。
認知度調査の実施|2.商品の売上が伸び悩んでいる時
自社商品の売上が伸び悩んでいる場合、対策すべきポイントの特定に認知度調査が活用できます。購入プロセスをセグメント分けし、「認知→興味関心→比較検討→購入」のどこがボトルネックになっているかを特定できれば、ポイントを絞った施策を打ち出すことができるでしょう。
認知度調査の実施|3.企業ブランド施策の策定時
企業ブランド施策の策定時も、認知度調査の実施が効果的です。企業の認知度が上がり、ロイヤリティの高い顧客を多く獲得できれば、価格競争に巻き込まれにくくなるため安定した収益獲得が見込めます。
認知度調査で自社ブランドの見え方を顧客目線で把握することで、今後のブランディングなどマーケティング施策立案に活かすことができるでしょう。
認知度調査の代表的な手法
認知度調査の手法には、目的やターゲット、自社のリソースによって向き不向きがあるため、都度最適な手法を選択する必要があります。本章では、認知度調査の代表的手法を3つ紹介します。
なお、認知度調査の代表的な手法は、代表的な市場調査の方法でもあります。市場調査については、「市場調査とマーケティングリサーチの違いは「現状/将来の可能性」」にも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
インターネットリサーチ
インターネットリサーチは、Web上でアンケート対象者にアンケートを行うものです。例えば、SNSのアンケート機能を活用し、商品の認知度を調査することが該当します。インターネットリサーチは、幅広い対象に対して、短期間で調査を実施しやすいことがメリットです。
なお、インターネットリサーチを成功させるには、調査設計からアンケート回収まで、多数のチェックポイントがあります。詳細は、「ネットリサーチで注意すべき32のチェックリスト」をご覧ください。
郵送調査
郵送調査は、モニターに質問票を送って回答してもらう方法です。幅広くアンケート結果を得ることができます。
なお、郵送調査ではインターネットを利用していない調査対象者への調査が可能ですが、郵送代や印紙代などコストが膨らみやすいことに注意しましょう。
会場調査
会場調査は、事前に設定した調査会場に入室してもらい、データを収集する調査手法です。商品や広告など実物に触れてもらえる調査手法のため、ユーザーのリアルな反応を得られることが特徴です。会場付近の通行者に声をかけて条件に合致する対象者を探す場合が多いですが、事前にインターネット上で募集したモニターを対象者とすることもあります。
ブランド認知度や広告への接触などを測るため、広告出稿のタイミングで実施されることがあります。
認知度調査で取り入れたいアンケート項目5選
先ほど認知度調査の方法を解説しましたが、いずれの認知度調査でも取り入れたいアンケート項目が存在します。以下に5つ、代表的な認知度調査で取り入れたいアンケート項目を解説します。
なお、市場調査のアンケートについては、「はじめての市場調査:アンケート調査票の作り方は?良い例・悪い例」で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
純粋想起
純粋想起とは、ノーヒントで「~~と言えば、何を連想しますか?」と、自由回答形式で答えてもらうことです。
▼純粋想起の質問例
- 野球用品のブランドと言えば、どこを連想しますか?
- 北海道といえば、何が名物ですか?
- 代表的なメンズスーツブランドは、どこですか?
純粋想起で回答が多かった商品・サービスや企業は、認知度が高いといえます。しかし、認知度が高いといっても、ユーザーの状態によってとるべき施策は異なります。
認知が不十分の場合は、認知度向上の施策を重視しましょう。年齢や性別などでセグメント分けし、特にどのセグメントで認知度が低いか調査し直すとより課題を特定しやすくなります。場合によっては、商品カテゴリ自体の認知度も把握するとよいでしょう。
認知されているものの興味関心が低い場合には、訴求内容を見直しましょう。商品を知っていたとしても、ユーザーが「自身の課題解決につながる商品だ」と考えられなければ、購入には至らないからです。例えば顧客のインサイトに踏み込んだキャッチコピーを打ち出せば、顧客の興味を惹くことができます。
興味があるのに購入に至らない場合、 販売チャネルや価格に課題があると考えられます。ターゲットに対して販売チャネルが適切かどうかを見直し、スムーズな購入体験を確保するための改善を行ったり、価格調査で現在の設定価格が妥当かどうかを確認し、必要あれば適正な価格に見直すことで、購入を後押しできる可能性があります。
助成想起
助成想起とは、ブランドや企業名などの一覧を示し、「どれを知っているかお答えください」と質問する方法です。こちらから選択肢を与えたうえで、回答してもらいます。
▼助成想起の質問例
-
以下5つのホテルチェーンから、知っているホテルチェーンをすべてお選びください。
ホテルA、ホテルB、ホテルC、ホテルD、ホテルE
-
以下のSNSツールについて、知っているものを選んでください。
Facebook、Twitter、LINE、Instagram
助成想起のアンケートを行う場合には、選択肢が多すぎると、かえって人は選択しづらくなるため注意しましょう。
また、助成想起の結果、競合商品の回答が多い場合は、競合商品の回答が多い要因を分析することでマーケティング戦略に活用できる可能性があります。
認知経路
認知経路の調査は、回答者がどのようなプロセスを経て、どこで商品を認知したか調べるものです。自社がどこで認知されたか把握することで、より効率よく認知を得る施策を明らかにできます。
▼認知経路の質問例
- どこでその商品を知りましたか?
- 〇〇〇(競合商品ブランド)は、どこで知りましたか?
競合他社の認知経路も調査すると、自社で不十分な施策が見えてくるかもしれません。場合によっては、競合他社で成果を上げている認知経路を、自社でも取り入れられないか検討しましょう。
例えば、自社ではプレスリリースを行っていないが、競合他社では効果的に活用している場合は、プレスリリースの活用が有効なのでは?と考えることができます。
商品理解
商品理解の調査とは、商品の機能や特徴を理解しているか確認するものです。商品の特徴を理解してもらうことは、競合商品との差別化で重要なポイントになります。
▼商品理解の質問例
-
商品Aについて、どのような印象を持っていますか?
おいしい/見た目がよい/値段が安い/よく見かける・・・
商品理解の調査では、具体的な特徴を選択肢に用意しておくことで、商品のどの特徴が特に知られているか把握できます。また、自由回答形式にすれば、商品の差別化ポイントが消費者に伝わっているか、それが商品を選ぶ際プラスに働いているか確認できるでしょう。
認知度調査で商品理解を調べる際は、知ってもらいたい特徴をアピールできているか、反対にあまりアピールしてこなかったものの商品の特徴として想定外に認知されている特徴はないか、確認しましょう。
もしユーザーの商品理解が不十分な場合、ユーザー目線で商品説明ができているかを見直すことがおすすめです。購入すると得られるベネフィットなど、ユーザーが知りたいであろう情報を記載するようにしましょう。
広告・プロモーションへの接触
広告・プロモーションへの接触の調査では、広告・プロモーションがどれだけ知られているか調査します。実際に広告を見せて、「あなたはこの広告を見たことがありますか?」と質問することで、広告が商品認知や購買につながっているかわかるでしょう。
また、広告自体の評価を聞き取ることで、広告のインパクトや、商品の特徴を伝えられているか否かもわかります。また、広告の内容だけでなく、ターゲットにしたい人々があまりいないチャネルに出稿していないかも確認しておきましょう。
▼広告・プロモーションへの接触の質問例
- あなたはこの広告を見たことがありますか?
- あなたはどこでこの広告を見ましたか?
- あなたは、この広告を見て商品Dにどのような特徴があるとわかりましたか?
例えば、自社商品の宣伝をSNS広告とリスティング広告の2つで行っていたとします。「どこで広告を見たか?」という質問で「SNS」という回答が多いのであれば、SNS広告の比重を高めて出稿した方が、効果が出る可能性が高いと考えられます。
認知度調査を成功させるポイント
ここまで、認知度調査の意味や調査方法、アンケート項目について解説してきました。最後に、認知度調査を成功させるポイントを解説します。
適切なターゲットに対して調査を行う
調査目的を明確にし、それにあったターゲットを設定します。ターゲットを明確にしないまま調査を実施してしまうと、目的に沿った調査結果を得られません。
認知度調査は幅広い層を対象に認知度調査を行うことが基本です。対象者が自社のファンに偏っていたり、そもそもの母数が少なかったりすると、正しく市場全体の認知度を把握することは難しくなってしまいます。年代や性別、居住地、ライフスタイルなど、偏りをなくしてターゲットを設定するようにしましょう。
定期的に調査を実施する
認知度は、自社のマーケティング施策に加え競合他社の動きによっても変わるため、定期的に調査してポジションを確認することが大切です。
定期的に認知度調査を行う方法の一つに、トラッキング調査があります。トラッキング調査は、ある母集団から選んだメンバーに同一調査を一定周期で繰り返すものです。詳しくは、「トラッキング調査とは?調査の意味と目的をわかりやすく解説」をご覧ください。
まとめ|認知度調査でマーケティング施策を改善しよう
認知度調査は、自社の商品・ブランドが世間でどれ程知られているか、浸透しているか調査することです。商品・サービスの市場内での立ち位置を明らかにすることで、今後のマーケティング戦略立案に役立てられます。
認知度調査は、新商品の発売・リニューアル時や、企業ブランド施策の策定時など、必要なタイミングで実施することが重要です。また、認知度は自社の施策や競合他社の影響を受けて変化し続けます。常に自社のポジションを把握しておくためにも、定期的な調査の実施が有効です。
あなたの会社でも、認知度調査の結果を活用し、現状の認知度を踏まえてマーケティング施策を改善させていきましょう。
- 3分で読めるGMOリサーチ&AIのサービス
-
GMOリサーチ&AIは、オンラインリサーチや海外調査など、認知度調査に役立つサービスを多数提供しています。業界トップクラスのモニター数を有するため、あなたの会社で認知度調査を行う際には、お役にたてるはずです。
- GMOリサーチ&AIのサービスを知る
よくある質問
Q1.認知度調査を行うべきタイミングは? |
---|
認知度調査を行うべきタイミングは、大きく分けて以下の3つです。
詳しくは「認知度調査とは商品やサービスなどの認知度を図るためのマーケティングリサーチ」の章をご覧ください。 |
Q2.認知度調査を行うポイントは? |
認知度調査を行うべきポイントは、大きく分けて以下の3つです。
詳しくは「認知度調査を成功させるポイント」の章をご覧ください。 |
- サービス概要を無料配布中「3分で読めるGMOリサーチ&AIのサービス」
-
GMOリサーチ&AIはお客様のマーケティング活動を支援しており、さまざまなサービスを提供しております。
- スピーディーにアンケートデータを収集するには
- お客様ご自身で好きな時にアンケートを実施する方法
- どこの誰にどれくらいリーチができるか
ぜひこの機会にお求めください。 - 資料請求する