ユーザーテストとは|ユーザー心理を掴む方法、実施のメリットを解説
2023年06月16日
ユーザーテストは、実際にターゲットとなるユーザーに商品やサービスなどを試してもらうテストです。ユーザー目線で要望や改善点がわかる上に、ターゲットとなるユーザーの人物像を見出すことで、ペルソナの仮説検証にも利用できます。
とはいえ、どのような流れでユーザーテストを行えばよいかわからない、自社だけでの実施は自信がない、という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ユーザーテストを活用できるシーン、ユーザー心理を掴むテスト実施方法について、マーケティング担当者の方に向けてわかりやすく解説します。
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ユーザーテストとはユーザーに商品やサービスを使ってもらうテスト
ユーザーテストは、Webサイトや製品などを、実際にターゲットとなるユーザーに試してもらうテストを指します。このテストを通じ、ユーザーの利用に耐えうるサイトや商品になっているか確かめたり、ユーザー目線で要望や改善点を見つけたりする際に行われます。
例えばアプリの開発では、β版(開発途中のバージョン)を作成した後にユーザーテストを行うことが一般的です。テストを通じてユーザーから得られた課題を解決(改修)してから、正式版がリリースされます。
また、ユーザーテストは、ターゲットとなるユーザーの人物像を把握できるため、ペルソナ(架空の代表的なユーザー像)の仮説検証にも活用されています。
ユーザーテストとユーザビリティテストの違い
ユーザーテストに似た単語に、ユーザビリティテストがあります。
ユーザビリティテストは、実際に第三者や一般のユーザーに商品を試してもらい、その使い勝手を確認するテストです。つまり、商品が実際にどれだけ使いやすく、便利であるかを確かめるために行われます。
一方ユーザーテストは、商品自体がユーザーに受け入れられるかどうかを確認するテストであり、商品自体の魅力や受け入れられるかに焦点を当てています。
ユーザーテストの実施方法は2パターン
ユーザーテストの実施方法は、オンラインとオフラインに大別されます。両者ともメリットとデメリットがあるので、ユーザーテストの目的や社内のリソースに応じて使い分けましょう。
オンラインでの実施
オンラインのユーザーテストは、参加者には自宅やオフィスからリモートで参加してもらい、実施されます。
オンライン実施ではテスト実施側の移動時間が不要のため、手軽に実施できることがメリットです。また、参加者も自宅や職場から参加でき、移動の手間や時間を省けるため、遠方のユーザーにも参加してもらいやすくなるでしょう。
一方で、画面上のやりとりとなり直接相手と接しないことから、参加者の微妙な表情変化やリアクションを読み取りづらいことが懸念されます。場合によっては、コミュニケーションや観察の制約が生じ、得られる情報に限りが出てきてしまうこともあります。
とはいえリモートコミュニケーションが一般的になってきている現在では、オンライン形式でのユーザーテスト実施が増えています。なお、オンラインインタビューについては、「オンラインインタビューで注意すべき34のチェックリスト」も参考にしてください。
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オフラインでの実施
オフラインのユーザーテストは、参加者とテスト担当者が同じ場所に集まって、直接対面でユーザーテストを実施するものです。
直接対面で行うメリットとしては、ユーザーの細かな挙動や表情を間近で観察できるため、感情の変化を一層把握しやすくなることでしょう。
一方、オフライン形式では参加者が調査実施場所まで出向く必要があります。そのため、場合によっては地理的な制約を受けてしまいます。さらに、調査側も調査実施場所を設ける必要があります。会場を借りることで追加のコストが発生することもある点は念頭に置く必要があるでしょう。
ユーザーテストを行う目的
企業がユーザーテストを行う目的は、以下の2つに大別されます。
ユーザーテストを効果的に実施するためにも、企業がユーザーテストを行う目的を、あらかじめ明確にするとよいでしょう。
ユーザー心理を理解するため
ユーザーテストの目的は、作り手だけの視点では気づかない、ユーザーの心理(ユーザーが解決したい課題や不満点)やニーズを把握することです。作り手が製品やサービスを開発する際には、自分たちの基礎知識や考えを持っていますが、それがユーザーにとっても当てはまるとは限りません。そのため、ついついユーザー心理を見逃してしまうものなのです。
トレーニング用品の商品開発を例に、考えてみましょう。開発者が競技スポーツに慣れ親しんでいる場合、アスリートのユーザー心理は理解しやすいことでしょう。
しかし、トレーニングをするのはアスリートだけではありません。高齢者が、自身の健康増進を目的としたトレーニング用品を欲していることも考えられます。開発者側はユーザー心理を想像しづらく、また、ユーザーである高齢者もトレーニングの理論を知らないことがほとんどでしょう。
しかし、実際のユーザー(この場合は高齢者)に商品を使ってもらえば、リアルな反応や行動から、ユーザー目線での改善点を把握できることでしょう。時にはユーザーのインサイトを理解できることもあります。
なお、消費者インサイトについては、「消費者インサイトとは?潜在ニーズとは違う?マーケティング戦略で役に立つ消費者の知られざる本音」もご覧ください。
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サービスにおける課題を発見してサービスの改善につなげるため
サービスにおける課題を発見し、サービスの改善につなげることも、ユーザーテストの目的の1つです。
もちろん、開発者が自身の商品・サービスを試すことも、課題発見には有効でしょう。しかし、開発側ならではの前提知識や経験があるぶん、かえって課題を見逃してしまうこともあるかもしれません。
ユーザーテストを通じて、商品・サービスに慣れていないユーザーに試してもらえば、使い勝手の悪さや不足している機能など、課題を見つけられる可能性が高まるでしょう。
また、ユーザーテストでは第三者目線による知見を得られます。そのため、商品・サービス改善の精度向上や、社内での稟議においてもユーザーテストは有力な根拠になるでしょう。
なお、ユーザーテストの結果を用いてサービスの改善を高速で行うには、アジャイルリサーチも有効です。詳細は、「アジャイルリサーチをやってみよう!実施にあたって必要なものとは?」をご覧ください。
ユーザーテストが有効な3つのシーン
先ほどユーザーテストの目的を解説しましたが、ユーザーテストが有効なシーンを知っておくことで、使いこなすイメージがより見えてくるのではないでしょうか。本章では、ユーザーテストが有効なシーンを3つ解説します。自社で実施できるシーンを想定しながら確認してみてください。
ユーザーのニーズやウォンツを理解したい
ユーザーテストは、ニーズやウォンツの理解に役立ちます。
どの企業にとっても、ユーザー視点でのニーズ・ウォンツの把握は重要です。テストを通じて実際に商品を使ってもらえば、リアルな反応から表面化していないユーザー心理を知ることができます。つまり、ニーズやウォンツを的確に把握し、商品のカゴ落ち防止や、新規顧客獲得方法の立案に役立てることが期待できます。
自社商品の課題を明確にしたい
開発者側だけの視点では、ユーザーが自社商品に対しどのような納得感や不満を抱えているのか、正確に把握するのは困難です。しかし、ユーザーテストで実際に商品を使ってもらい、使用体験やフィードバックを収集すれば、ユーザーの本当の声やニーズを理解しやすくなるでしょう。
ユーザーテストは、ユーザー視点で自社商品を見直すことに向いています。また、競合他社の製品も比較材料として使用すれば、自社商品の優れた部分や課題をより明確にでき、商品・サービス改善や顧客満足度向上に役立つ知見を得られるでしょう。
社内での目線をあわせたい
ユーザーテストは、単にユーザーの意見を聞くだけではなく、客観的なデータや観察結果を通じて、企業が自社サービスの現状を把握する手段でもあります。そのため、社内の目線を合わせたい場合にも非常に有効です。
経営層は、実際の現場に関する情報が届きにくかったり、課題感を把握しづらかったりすることもあるでしょう。しかし、ユーザーテストを行うことで、第三者(消費者)目線での課題感や現場の状況を理解しやすくなります。社員が経営層に対して稟議を行う際にも、説得力を持って意見を伝えられるでしょう。
【4ステップ】ユーザーテストを行う流れとは
ここまで、ユーザーテストの意味や目的、有効なシーンについて解説してきました。読者のみなさまの中には、「ユーザーテストを早速始めてみたい」と考えている方もいるかもしれません。
本章では、4つのステップにわけてユーザーテストを行う流れを解説します。進める上でのポイントも併せて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
1.ユーザーテスト実施の目的を確認し、仮説を設定する
ユーザーテストを実施する前には、まず目的を確認し、仮説を設定することが大切です。
なぜユーザーテストを行うのか、何を解決したいのか、そしてユーザーテストを通じて何を得たいのか、少なくともこの3点を明確にしておきます。
また、次に決めるユーザーテストのシナリオやタスク設定をスムーズに行うためにも、ユーザーが求めるニーズを仮説として設定しましょう。
▼ユーザーテストの目的と仮説の例
(例)新商品のカップ味噌ラーメンを、コンビニエンスストアで販売するケース
- 目的:姉妹商品のカップ型ライスとセットで販売を促進したい
- 仮説:カップ味噌ラーメンとカップ型ライスを、両方ともレジ前に置くと、衝動買いを促進できるのではないか?
なお、ユーザーテストは潜在ニーズの把握にも有効です。潜在ニーズについては、「潜在ニーズの見つけ方は?引き出す質問例や成功例も解説」をご覧ください。
2.テストの内容、流れを確認する
ユーザーテストを行う前に、ユーザーテストの流れや参加者への説明内容を確認しましょう。設定状況が実際の利用状況に近いほど、自然な行動や反応を観察できます。
ちなみにテスト参加者は1人だけだと比較材料が少なくなってしまうため、最低でも3人の参加者を用意するとベターです。
▼ユーザーテスト前に必要な準備
- ユーザーテストのシナリオ設定
- 参加者の招集
- 参加者への説明担当者、進行担当者
- ユーザーテストを行うWebサイト・商品の用意
- 撮影・録音機材のセッティング
- ユーザーテスト会場の用意(オフラインで実施する場合)
なお、ユーザーテストの手法の1つに、モニター調査があります。モニター調査については、「モニター調査とは?調査の種類や流れ、活用事例を解説」も併せてご覧ください。
3.ユーザーテストを実施する
参加者にユーザーテストの概要を説明し、実際に商品を使ってもらいましょう。そして調査者から行動の理由や利用の印象・感想をヒアリングしていきます。カメラで録画するだけでなく、実際の行動や表情なども観察します。これにより、ユーザーの反応や動きからさまざまな情報を得られます。
参加者によっては、調査者に見られていることで「良い回答をしよう」と考えたり、萎縮したりする場合もあるかもしれません。事前説明の段階で、気にせず思ったことを伝えてもらうよう説明し、理解を得ておくことが大切です。
ユーザーテストが終わったら、お礼を伝えましょう。ユーザーの貴重な意見と参加に、感謝の気持ちを伝えることが大切です。これらの手順や注意点を守ることで、有意義なユーザーテストが行えるはずです。
4.結果を集計・分析する
ユーザーテストの結果を活用するため、結果を集計・分析します。
1.集計
ユーザーテストで発見された課題を、質と量の観点で分類しましょう。
▼質と量の観点で分類した課題(例)
質 | 効果 | 製品に期待された効果を感じられない |
---|---|---|
効率 | 使い勝手が悪い、使い方が分かりづらい | |
満足度 | 商品に不平不満がある、不安を感じる | |
量(発生頻度) | 高 | ユーザー全員に見られた |
中 | 複数ユーザーに見られた | |
低 | 1人だけに見られた |
2.分析
あらかじめ立てた仮説を基に、得られた結果を分析します。分析結果は新たな施策や改善に向けた仮説立案に活用し、よりよいサービスや製品を提供するために役立てていきます。
なお、ユーザーテストの結果を集計するには、クロス集計表も有効です。クロス集計表とは、2つ以上の質問項目の回答内容をかけ合わせる集計方法を指します。詳細は、「クロス集計表とは?基礎知識と賢い活用法」をご覧ください。
まとめ|ユーザーテストでユーザーの観点を理解しよう
ユーザーテストは、ユーザー心理の理解やサービスの改善に役立ちます。
ユーザーテストを行う際には、まずユーザーテストの目的を明確にしてから、仮説を設定しましょう。その後、ユーザーテストの内容や流れを確認して実際に行います。結果が出たら、結果の集計・分析を行い、分析結果をビジネスに役立てましょう。
なお、GMOリサーチ&AIでは、多数の市場調査実績があります。ユーザーテストの結果と市場調査結果と組み合わせると、よりユーザーのニーズを把握できるでしょう。自社でマーケティングリサーチを始めたい方は、お気軽にご相談ください。
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よくある質問
Q1.ユーザーテストとユーザビリティテストの違いは? |
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ユーザーテストは、商品自体がユーザーに受け入れられるか、ユーザーがその商品を欲しいか調べることが目的です。一方ユーザビリティテストは、実際の第三者や一般のユーザーに商品を試してもらい、商品が実際にどれだけ使いやすいか確かめるために行われます。 つまり、ユーザーテストでは、あくまでも商品が欲しいか否かまでしかテストしませんが、ユーザービリティテストでは一歩踏み込んで商品の使いやすさを調べる点で異なっています。 詳しくは「ユーザーテストとユーザビリティテストの違い」の章をご覧ください。 |
Q2.ユーザーテストを行う目的は? |
ユーザー心理を理解し、商品やサービスの改善につなげることが、ユーザーテストの目的です。効果的なユーザーテストを実施するには、ユーザーテスト実施の目的をあらかじめ明確にしておくことが大切です。 詳しくは「ユーザーテストを行う目的」の章をご覧ください。 |
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